アマチュアとプロが混走するガチレース「S耐」! 普通の仕事をしているアマチュアはどうやってレースに参戦している? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スーパー耐久シリーズにはプロドライバーに混じってアマチュアドライバーも参戦している

■2025年のスーパー耐久にも普段は働きながらレースに参戦しているドライバーがいる

■アマチュアドライバーが普段はどのような仕事をしているのかを聞いた

プロアマ混走レースの最高峰といえばスーパー耐久シリーズ

 スーパーGTやスーパーフォーミュラで活躍するプロドライバーとともに、ジェントルマンドライバーも参戦できるスーパー耐久シリーズは、まさにゴルフトーナメントでいえば「プロアマ交流戦」のような存在だ。

 いくらお金をもっていても、アマチュアでは出場の難しいスーパーGTやスーパーフォーミュラと違って、スーパー耐久はアマチュアでも参戦可能。しかも、スーパー耐久はプロドライバーに加えて、自動車メーカーも参入するなど華やかなシリーズであり、本格的なカテゴリーとなっていることから、まさにスーパー耐久はアマチュアドライバーにとって最高峰のステージといえるだろう。

 スーパー耐久への参戦に必要なライセンスはFIAの国際ドライバーライセンスC、いわゆる“国際C”以上、もしくはJAFの国内競技運転者許可証A、いわゆる“国内A”で、国内Aの場合は「過去2年間にJAF公認レースで4回以上の完走実績もしくは過去の実績により上記同様の技量とSTOが認めたドライバー」という条件が必要となる。

 とはいえ、ハイレベルなレースでの入賞実績は必要なく、入門的なワンメイクレースを1シーズンフル参戦して、きっちりと完走さえすれば条件をクリアできることから、決して高いハードルではない。

 また、気になる活動予算もスーパー耐久はクラス設定が多く、チームの体制やマシンのバリエーションも多彩であることから、千差万別である。

 チームやマシンにもよるが、GT3車両を使用したST-XクラスやGT4クラスを使用したST-Zクラスなどは“1戦あたり100万円”を超えるチームもあれば、コンパクトな国内規定モデルを使用するST-5F/ST-5Rクラスであれば、“1戦あたり30万円”もあったりと、まさにピンからキリまで……といった状態。そのため、チームとの交渉次第ではあるが、そこそこ安定した収入があるようなら、年間で数レースはスポット参戦ができるのではないだろうか?

 事実、2025年のスーパー耐久にも普段は働きながら、レースに参戦しているサラリーマンやフリーランサーも少なくはない。彼らはスーパー耐久という檜舞台で苦労を重ねながらも、同シリーズならではの魅力を味わっているようだ。

 というわけで、ここでは開幕戦が行われたモビリティランドもてぎで、数名のアマチュアドライバーを直撃。働きながらスーパー耐久に参戦することの難しさ、そして同シリーズの醍醐味を語ってもらった。

 まず、サラリーマンドライバーの代表的な存在といえるのが、Honda Cars TokaiのAドライバーとして、222号車「DURANCE J-net Cars Tokai FIT」でST-5クラスに参戦する竹内敏記選手だといえるだろう。

 竹内選手はチームの母体となる「ホンダカーズ東海」で働いており、レースのないときはホンダディーラーの店長として勤務。スーパー耐久への参戦のきっかけについて、「ディーラーとしても人材が不足しているので、何かできないか……というところからレース活動を始めることになりまして、オーナーの高橋(一穂)がスーパー耐久に参戦していることから、会社として取り組むことになりました。そんなときにたまたまサーキットでタイムアタックをやっていたこともあって、2021年にスーパー耐久にデビューしたときからドライバーとして参戦することになりました」と竹内選手は語る。

 つまり、竹内選手のレース活動は会社の業務になっており、個人的に活動予算を工面する必要はないが、それでも苦労は多く、「今年は木曜日に移動することを基準にスケジュールを立てていますが、それでも遠方は日曜日も宿泊することになりますから、どうしても拘束時間が長くなりますよね。お客さまに迷惑をかけるわけにはいかないので、会社を空けるために、仕事を前倒ししたり、逆に仕事を先送りしながら調整することが大変ですね」と語る。

 しかし、その一方でスーパー耐久には魅力も多く、「スーパー耐久はプロドライバーと一緒のコースでレースができますからね。トップドライバーの走りをみて学べますし、刺激にもなります。そういったスキルアップが接触を防ぐことにもなる。スーパーGTは僕みたいなアマチュアドライバーが参戦することはできませんが、スーパー耐久は参戦できるので、実力を試す機会になっています」と竹内選手は説明した。

 また、Porsche Team EBIのAドライバーとして22号車「EBI GROUP Cayman BT4 RS CS」でST-Zクラスに参戦している北園将太選手も、チームの母体、EBIに所属するサラリーマンドライバー。EBIは日本最大のポルシェセンターを運営する輸入するディーラーで、北園選手も普段はブランドアンバサダーである“ポルシェプロ”として、ポルシェスタジオ銀座に勤めているそうだ。

「もともと幼少期からレーシングカートをやっていたんですけど、就職活動を機にレース活動をやめていましたが、就職したEBIグループのレース活動に誘っていただいて、再びモータースポーツに参加できるようになりました」と語るように、北園選手のスーパー耐久も会社の業務。そのため、金銭面での心配はなく、「レースウィークは移動を含めて1週間ぐらい会社を休むことになるので、その皺寄せはありますが、苦労としてはそれぐらいで、逆にレース活動を行っていることで充実して過ごせています」と北園選手は語る。

 さらに、スーパー耐久の魅力についても「圧倒的にメディアに露出される量が多いですし、ドライバーにしてもメカニックにしても経験にもなる。格式が高いし、プロドライバーと一緒にレースができるのはスーパー耐久しかないと思います」とのことで、まさにスーパー耐久はディーラーチームにとっても最高のツールになっている。


この記事の画像ギャラリー

新着情報