この記事をまとめると
■1台のクルマに長く乗るのがエコだといわれることは多い
■新車の保有期間は7.7年で中古車は6年強というのが平均値となっている
■長年乗るにはメンテナンス費用とリセールの兼ね合いを考える必要がある
乗り換えのベストタイミングとは
まさに「愛車」とばかりに、1台のクルマを大事にしているオーナー諸氏については、その方針を守ってほしいと思うが、ここではそこまで愛情を注げないというユーザーに向けて、クルマを乗り換えるベストタイミングについて考察していきたいと思う。
クルマ好きのなかには「同じクルマをメンテナンスしながらずっと乗っているのが、究極的にはエコだ(環境負荷が低く、経済的でもある)」という意見もあるが、実際に1台のクルマに何年も乗り続けているユーザーは少数派だ。
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実際、日本自動車工業会が2023年に調査したところ『新車の平均保有期間は7.7年』だったという。ちなみに、中古車を購入したユーザーの平均保有期間は6年強となっている。このふたつの数字を合計すると、乗用車の平均使用年数の14年弱とおおむね合致する。
平均と実態は異なるものだが、新車で購入したユーザーは3回目の車検あたりで手放し、それを中古車として購入したユーザーも3回目の車検前後で手放し、その車両は廃車になっているという流れが、日本における典型的なクルマの使われ方という見方ができる。
筆者なりに分析すると、新車で購入するユーザーにとって7年という期間にはカーライフの満足度を左右するタイミングという意味合いがあると考えられる。平均的な国産乗用車であれば、2度目の車検(5年)くらいまでは基本メンテナンスをしておけば大きな問題が起きることもなく、性能劣化も感じられないことがほとんどだ。
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感覚的には、ほぼ気を遣うことなくクルマを利用できるフェイズといえる。しかしながら、3回目の車検あたりから少しずつ性能や機能劣化を感じることが増えてくる。とくに機能面でいえば、先進運転支援システムが挙げられる。最新のバージョンと比較すると足りない機能なども出てくるだろう。
たとえば、いまでは当たり前に求められるオートブレーキホールド機能は、ちょっと前のクルマには上級モデルであっても備わっていないことがある。また、技術が日進月歩で変化するEV(電気自動車)では、ほんの2〜3年、購入タイミングが違うだけで航続距離が大きく異なっていたりする。
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