この記事をまとめると
■タイヤの転がり抵抗について解説
■転がり抵抗の主因はヒステリシスロスであり、空気圧不足が大きく影響する
■低燃費タイヤ選びではウエットグリップ性能も考慮すべき
クルマの燃費やグリップにかかわる大きなファクター
走行しているクルマには、空気抵抗をはじめ進行方向と逆向きの抵抗力がいくつか働いている。そうした抵抗力の代表として、タイヤの転がり抵抗がある。
タイヤの転がり抵抗とは、タイヤが路面を転がるときに生じる抵抗のこと。クルマの燃費の20%はこのタイヤの転がり抵抗が占めているといわれ、いわゆる低燃費タイヤとは、この転がり抵抗を減らすことに注力したタイヤのことだ。
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もう少し詳しく見ると、タイヤの転がり抵抗には、次の3つの要素がある。
① 走行時のタイヤの変形によるエネルギーロス
② トレッドゴムの路面との接地摩擦によるエネルギーロス
③ タイヤの回転に伴う空気抵抗によるエネルギーロス
このうちもっとも影響が大きいのは、①の走行時のタイヤの変形によるエネルギーロス。これをヒステリシスロスと呼び、このヒステリシスロスが、タイヤの転がり抵抗の50%以上を占めている。
ゴムは金属のバネと違って粘弾性体なので、力を加えられると変形し、その変形により熱が生じてエネルギーを消費することになる。
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つまり、変形しづらいタイヤほどヒステリシスロスは小さくなるが、変形しないタイヤは乗り心地が悪いし、グリップ力も低くなるので難しい。
より具体的には、タイヤのゴムの柔らかさ(コンパウンド)、タイヤの構造、タイヤの空気圧、トレッド、直径、幅、タイヤの材料などが、タイヤの転がり抵抗の大小を決めるポイントになるわけだが、もっとも注目したいのはやはり空気圧。
ミシュランによると、適正空気圧よりも30kPa空気圧が不足すると6%、100kPaの空気圧不足では30%も転がり抵抗係数が増えるとのこと。
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わかりやすい例では、タイヤの空気が半分抜けた自転車は、タイヤの転がり抵抗が大きくてペダルが重いが、タイヤに空気をパンパンに入れれば、タイヤの転がり抵抗がグーンと減って、スイスイ走れて、ペダルも軽くなる。その差がまさにタイヤの転がり抵抗だと思えばいい。
ちなみに転がり抵抗が20%減少すると、燃費は2%向上するといわれているので、まずはタイヤの空気圧をつねに適正に保つこと(月に一度は空気圧の点検・調整を)。
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あとは転がり抵抗の少ないタイヤを選ぶことだが、転がり抵抗とグリップ力はトレードオフの関係。安全性を考えればグリップ力、とくにウエットグリップは犠牲にできないので、低燃費タイヤの装着や購入を考えるときは、低燃費タイヤの「ラベリング制度」を利用して、ウエットグリップ性能の等級が「a」(もしくは「b」以上)のタイヤからチョイスするようにしよう。
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