この記事をまとめると
■高速道路で歩行者とクルマの事故が発生する背景には誤進入や認識ミスがある
■歩行者の進入は法律で禁止されているため事故時の過失割合は歩行者側が高くなる
■ナビアプリの設定や標識確認を徹底し誤進入を防止することが重要だ
昨今しばしば話題になる高速道路への歩行者進入
高速道路で歩行者とクルマが事故を起こしてしまうというニュースを見聞きすることがあります。ルールに従っていれば、このような事故は起こらないはずですが、現実には発生しています。なぜ、高速道路で歩行者とクルマの事故が発生しているのでしょうか。今回は、高速道路に歩行者がいる理由や事故の際の過失割合などを解説します。
歩行者が高速道路に進入することは法律により禁止されている
高速道路関係各社が情報を発信しているように、高速道路では歩行者の通行が禁止されています。
高速自動車国道法第17条には、「何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り、または高速自動車国道を自動車による以外の方法により通行してはならない」と定められていることからも、歩行者が高速道路を徒歩で通行してはならないことは明らかです。
高速道路入口の看板画像はこちら
なお、同法には高速道路に進入した歩行者に対する罰則規定が見あたりませんが、前述したとおり、法律により歩行者が高速道路に進入することが禁止されているため、徒歩で高速道路に進入することがないように歩行者自身が注意しなければなりません。
また、クルマやバイクの運転者は、同法の規定に基づいて高速道路等を運転しているため、高速道路を走行中に歩行者が現れることを想定していない可能性が高いということになります。
高速道路にいる歩行者と事故を起こしてしまった場合は歩行者の過失割合が高くなる
冒頭でも触れたとおり、法律で歩行者の進入が禁止されているにもかかわらず、高速道路に進入した歩行者と自動車の交通事故は発生しています。
もし、高速道路に進入した歩行者と自動車が事故を起こしてしまった場合の過失割合はどのようになるのでしょうか。
過失割合計算のイメージ画像はこちら
前章でも述べたとおり、法律により歩行者は高速道路に進入することが禁止されているため、高速道路で歩行者と自動車が事故を起こした際は、歩行者の過失割合が大きくなる場合が多いです。
つまり、事故の際に歩行者の過失割合が低くなるという一般道路における一般論はこういったケースでは通用しないということになります。
高速道路に歩行者などが侵入してしまう理由
法律で禁止されているにも関わらず、歩行者・自転車・原付が高速道路に進入してしまう理由とは何なのでしょうか。
高速道路に進入してしまった自転車の映像画像はこちら
首都高によると、以下のような理由で高速道路に進入してしまうことが多いと公表されています。
・高齢者が一般道路と間違えて誤進入してしまった
・お酒をかなり飲んだ方が高速道路だと認識ができず誤進入してしまった
・自宅へ帰る際に料金所で道を聞くために進入してしまった
・自転車や原付がナビアプリで高速道路を使用したルート設定のままになっていたため誤進入してしまった
など
主に上記のような理由で誤って高速道路に進入してしまうことがあるとのことです。
高速道路で歩行者とクルマがぶつかると大惨事になる
高速道路は、高い速度域で走行しているクルマが多く、東名高速道路の一部区間などでは最高速度が120km/hにもなります。
これほど高い速度で走行しているクルマと人がぶつかると大惨事になることは明らかです。このような事故を起こさないようにするためには、歩行者や自転車・原付の運転者が高速道路に入らないよう道路の表示を見て進むことが重要となります。
高速道路上での事故のイメージ画像はこちら
また、スマホのナビアプリを利用する際は、アプリの道案内だけでなく、標識や標示、道路にある表示を確認しながら進むようにしましょう。