この記事をまとめると
■トンネル内でのヘッドライト点灯に関するルールを解説
■夜間以外に灯火を点灯する場合として道交法には「トンネルの中」と記されている
■例外も記されるが安全のためにもトンネルに入ったらライトオンを習慣化したい
トンネル内でのヘッドライト点灯は義務
春分の日を過ぎて、少しずつ日が長くなってきていることを実感しているところだが、日が長くなっても、日没の30分前にはヘッドライトを点ける基本は変わらない。
2020年4月から、新型車には「オートライト機能」の搭載が義務付けられているので、だいぶ無灯火のクルマは減ってきたが、それでもトンネルなどではまだまだヘッドライトを点灯していないクルマを見かけることがちょくちょくある。
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道路交通法では、日没時から日の出時までの夜間、ヘッドライトの点灯を義務付けているが、トンネル内のヘッドライトのルールはどうだったかをきちんと覚えているだろうか。
「夜間以外の時間で灯火をつけなければならない場合」について、道路交通法施行令では「トンネルの中、濃霧がかかつている場所その他の場所での通行、停車時」と定めている(第十九条)。つまり、トンネル内ではヘッドライトを点灯する必要があるということだ。
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ただし、この道路交通法施行令には、「高速自動車国道及び自動車専用道路においては前方二百メートル、その他の道路においては前方五十メートルまで明りように見える程度に照明が行われているトンネルを通行する場合を除く」と例外規定が書かれているので、厳密にいえば、高速道路や自動車専用道路では前方200m、一般道では前方50mまで見える程度に明るければ、ヘッドライトを点けなくても違法性はないといえるだろう。
とはいえ、短いトンネル、明るいトンネルでも、安全のためにはヘッドライトの点灯が非常に大切。公益財団交通事故総合分析センターの調べによると、トンネル内で走行中の前走車に追突する事故の割合は、トンネルの外に比べ2.3倍も多いことがわかっている。こうした追突事故を防ぐためには、視認性、被視認性を高めるヘッドライトの点灯は欠かせないといってもいい。
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また、JAFによると、トンネルに入った直後の「暗順応」は年齢によって大きな差があるとのこと。昼間にトンネルに入ると急に暗くなったように感じて、眼が見えにくくなった経験は誰にでもあるだろうが、周囲の暗さに順応して、視力が回復するまでにかかる時間は、20~30代で平均8秒、70~80代では平均24秒もの時間がかかるという。
こうした暗順応のタイムラグを考えても、トンネル内のヘッドライトの点灯は、トンネルの長さやトンネル内の照明の明るさにかかわらず、マストだと覚えておくのが正解。
ルール云々ではなく、自分自身と同乗者、そして愛車を守るためにも、「トンネルに入ったらライトオン」を習慣化するようにしよう。