この記事をまとめると
■2024年11月に「e建機チャレンジ2024」が開催
■eスポーツのような感覚で建設機械を遠隔操作する
■6チームが参加して丸磯建設チームが優勝した
スピード・効率・正確性を競う!
2024年11月、東京と千葉を会場として「e建機チャレンジ2024」が開催された。この催しは、⼀般社団法⼈「運輸デジタルビジネス協議会」と一般社団法人「千葉房総技能センター」が主催するもので、今回が3回目となる。その内容は、東京・六本木にある遠隔操作会場で参加チームがオペレーションを実施し、千葉市緑区の現場で稼働する建設機械を操作するというものだ。
トラック・物流業界の「2024年問題」と同様に、建設業界でも技能労働者の不足が深刻化している。2019年には約330 万人が現場で活躍していたが、2025年にはその人数が200 万人を下まわるのではないかと予測されているのだ。しかし、建設機械のオペレーションは安全性を担保した上で、生産性を確保しなければならない。
「e建機チャレンジ2024」のようす画像はこちら
こういった背景のもと、学生やeゲーマーなどが本大会を通じ、eSports的な感覚で建設機械の遠隔操作を体験し、新たな視点から建設機械オペレーションの人材の発掘や、遠隔操作システムの発展を促すことを狙っているのだ。これらを踏まえて掲げられた大会の目的は、以下の3点である。
1)建設機械の遠隔操作技術の社会実装(技術、法令、教育、人材、普及)を促進
2)非就労者、未経験者などの就労支援による、建設業界への新しい人材の創出(建設業界の少子高齢化、人材不足の解消)
3)建設機械の遠隔操作技術と新たな人材による災害救助、災害復旧支援体制の構築と社会貢献
競技の内容は、建設機械稼働会場の油圧ショベルとキャリアダンプを、遠隔操作会場から2名1チームで操作し、スピード、効率、正確性を競うというもので、大会参加チームは以下の6チームである。今回はこの大会に先立ち、重機操作シミュレータアプリ「重機でGo」を使用した予選会が行なわれ、その上位者が以下のチームを組んで参加している。
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・スーパー学生連合チーム極(eSportsサークル所属学生チーム)
・Sengoku Gaming(プロeSportsチーム)
・建機ファン女子(女性建機ファンチーム)
・竹中土木オートボット(事業者)
・丸磯建設(事業者、前回の優勝者)
・重機でGoペーパーオペレーターズ(予選上位者)
基本的な各チームの構成は、油圧ショベル、キャリアダンプ、コマンダーの各パイロットで合計3名となっている。
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競技は2段階にわけて行われ、第1段階では前回優勝者の丸磯建設チームを除く5チームが、課題のタイムトライアルを実施。審査員によって「積み込み土砂が少ない」「白線を超える」「パイロンなどの設置物への接触」といった項目がチェックされ、問題があれば1件につき5秒のペナルティが加算されるというルールになっている。その結果、Sengoku Gamingが勝ち抜き、第2段階の決勝に進んだ。優勝は、前回覇者の丸磯建設チームが貫録を見せて栄冠を手にしている。
第1段階で敗北した重機でGoペーパーオペレーターズチームも僅差であったことから、わずかな練習だけでもプロに引けを取らない操作が可能であることが証明され、新たな人材発掘の可能性が高まったといえよう。建設機械そのもののオペレーションは必ずしも簡単なものではないが、遠隔操作技術が発達することで就業対象者の幅が広がることに期待が寄せられている。