40カ国2732名のUDトラックス「ディーラーマン」が上尾に集結! トラック整備の腕で勝負する超ガチンコ競技が開催された

この記事をまとめると

■「UD現場チャレンジ2024」のワールドファイナルが開催された

■世界でアフターマーケットに従事するUD従業員が競うイベントだ

■「UD現場チャレンジ2024」ワールドファイナルの内容と結果をリポート

ディーラー従業員が繰り広げる熱いバトル!

 2024年11月12日、埼玉県上尾市のUDトラックス本社内にある「UDエクスペリエンスセンター」において、「UD現場チャレンジ2024」のワールドファイナルが開催された。これは、UDトラックスが販売を展開する国のディーラーのなかで、アフターマーケット業務を担当する従業員の知識と技能を競うイベントである。世界各地で行なわれた予選には、40カ国9地域の732チーム2732名が参加。そのなかから勝ち抜いた10カ国14チームが、ファイナリストとして上尾の地に参集したのである。

 このイベントは、今回で10回目。2014年から隔年で開催されてきている(2020年はコロナ禍で中止)。競技は車両によってふたつの部門にわかれる。日本でもお馴染みの「クオン」の部と、海外で活躍する「クエスター」の部だ。各チームは基本的にメカニック2名、部品スタッフ1名、フロント1名の4名で構成されるが、それぞれの事情に合わせて実際は2~4名の幅がある。このほか、チームリーダーを置き、チームメンバーと審査員の間をつなぐ役割を担う。

 競技は、5つの分野が同時に行われる。それぞれの課題は以下のとおりだ。

・「エレクトリック」の課題

 配線図からワイパーモーターを結線し、指示どおりの動きをさせるというもの。廃線記号やコードの意味を理解し、構成部品を識別できるスキルが求められる。このとき、マルチメーターで部品を測定して、不具合を特定できなければならない。

・「エンジン」の課題

 指示された部分を測定し、異常があれば部品を特定して処置をする。測定器や特殊工具を正しく使用でき、測定結果から異状がある場合は対処をしなければならない。

・「テックツール」の課題

 テックツールを使用して、フライホイールとカムシャフトのセンサー信号を測定。信号値や信号波形から、異状原因を特定する。

・「トランスミッション」の課題

 コントロールハウジングの各シフトフォークをチェックし、問題を特定して修正を行う。その後、再テストをして確認する。トランスミッションの構造を理解していることに加えて、修正を行うためにサービス情報にアクセスし、それに従って対処できることが求められる。

・「コマーシャル」の課題

 ワランティクレーム部品(保障期間対応用部品)の保管、管理状態や、ワランティクレーム申請書の記載事項の確認を行う。部品補完の要件、方法、ルールなどを把握していなければならない。

 競技時間はいずれも50分だが、始めの5分は質問や確認などを行い、最後の15分は審査集計が行われるので、それぞれの課題は実質的に30分で実施する必要がある。ディーラー従業員というプロを対象としているだけに、競技内容は非常に専門的かつ難解なものといえよう。

 競技結果は「クオンの部」が、
優勝:日本代表(深谷カスタマーセンター)
2位:日本代表(西淀カスタマーセンター)
3位:南アフリカ代表

「クエスターの部」は、
優勝:インドネシア代表
2位:サウジアラビア代表
3位:フィリピン代表
であった。

 トラックの技術は日々進化しており、新しいシステムや部品が次々に開発されている。ユーザーがそれらに対応するのは難しく、頼れるのはディーラーの担当者しかいない。こういったイベントで彼らのモチベーションを高めることで、ユーザーは安心してトラックを利用できるようになるのではないだろうか。


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