現代のパーツのほうが実用的なのは間違いない
昭和生まれの旧車を当時のように再現したいのであれば、当時もののパーツにこだわることが重要だろう。しかし、平成や令和の時代に生まれたトラックを昭和のように飾る場合は、当時もののパーツにこだわる必要はないように思えてしまうのだ。当時もののアイテムがひとつのステイタスになるのは間違いないのだが、破損してしまうと代わりがきかない。それに、現代のパーツのほうが優れた性能を誇るため、実用的なのは間違いない。ベース車そのものが現代のものであるのならば、現代のパーツを昭和のような雰囲気で活用するのが得策なのではないかと思うのだ。
たとえば、電球式のマーカーランプ。角マーカーと呼ばれるものは、当初はピンク色を除いてガラスレンズであった。そして、本体とガラスレンズを固定するビスがひとつであったため、電球を交換するにも手間を要した。電球を交換するたびに、いちいち本体を固定するナットを外さなければならなかったのである。
デコトラのパーツのイメージ画像はこちら
そんな不便さを解消させるべく、表ビスと呼ばれる角マーカーが誕生した。見た目のデザインは変わらないのだが、本体を車体に固定するビスとレンズを外すビスが別物となっているため、電球交換が容易になったのである。そんな角マーカーも現代では軽量で割れにくいプラスチックレンズとなり、電球ではなく長寿命で消費電力の少ないLEDへと進化を遂げている。
このように、パーツは日々進化してゆくもの。旧車を愛する気もちは理解できるのだが、やはりベース車に合わせた雰囲気で仕上げることが最適であるのは間違いない。旧車風に飾る場合でも、昭和を目指すか平成初期を目指すかで、内容が大きく異なってくる。平成の雰囲気を目指しているのに、昭和のパーツを取り付ける必要はない。なんでも昔のパーツを取り付けるのではなく、その時代のデコトラを学ぶことから始めるのが大切である。
そもそも、旧車自体が不便な乗りものであることを忘れてはならない。エアコンやパワステ、パワーウインドウが装備されていない個体が多ければ、乗り心地も悪い。それを理解したうえで好んで乗るような本格派こそが、旧車のオーナーになるべきである。
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存在自体が希少で数が限られている旧車や当時もののアイテムは、是が非でもその価値を理解する本格派たちの手に渡って欲しい。そうして少しでも長く、その時代の美学を未来へと受け継いで欲しいと願うマニアは、きっと多いに違いない。