GRヤリスDATがスーパー耐久にデビューしたのは2024年の第5戦・もてぎ大会で、それまで水素エンジン搭載のカローラでST-Qクラスに参戦していたORC ROOKIE Racingが初めてGRヤリスDATを投入。実戦のなかでマシン開発を担っていたが、DATのレーシングカーも最終的な煮詰めの段階に入ってきたのだろう。前述のとおり、2025年はGR Supra GT4 EVO2の開発実績をもつGR team SPIRITがGRヤリスDATの開発を引き継いでおり、開幕戦から素晴らしい走りを披露していた。
そのため、ST-2クラスに参戦していたMT仕様のGRヤリスと予選タイム(AドライバーとBドライバーの合算タイム)を比較しても、ST-2クラスでGRヤリス勢のトップタイムをマークした225号車「KTMS GR YARIS」の4分09秒939に対して104号車「GR Yaris DAT Racing Concept」は4分13秒105と約3秒のタイム差があったが、ドライバーの評価は高く、「DATのレーシングカーで初めてレースに参戦するんですけど、シフトアップにしてもシフトダウンにしても適切なギヤをクルマが選んでくれますからね。それに対してストレスがほぼない状態なので、よくできていますよね」と山下選手はインプレッションしている。