この記事をまとめると
■日常点検・法定点検・車検はいずれも法律で定められている
■法定点検には罰則がないが安全のため受けるべきだ
■車検が切れたクルマで公道を走行すると厳しい罰則が科される
いろいろある点検、どう違う?
クルマには、日常点検、法定点検、車検など、さまざまな点検があります。これらの点検のなかで、確実に実施しなければならない法律で定められている点検はどれなのでしょうか。この記事では、クルマの点検が法律でどのように定められているのか、どの点検を確実に実施するべきなのか解説します。
運転者の責任において行う「日常点検」
日常点検は、運転者の責任において行う点検で、クルマの走行距離や運転したときの状態などから判断した適切な時期に行わなければなりません。
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また、道路交通法第47条の2には、「灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない」とも記載されています。
つまり、日常点検は、運転者の責任において行わなければならない点検として法律に定められているということです。
法律で定められているものの罰則がない「法定点検」
自家用乗用車の場合、12カ月(1年)ごとに定期点検(法定点検)を受けなければなりません。
この定期点検は、道路交通法第48条に定められており、「国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない」と明記されています。そのため、定期点検(法定点検)も受けなければならない点検のひとつです。なお、定期点検(法定点検)を受けなかったことによる罰則規定がないため受けない方もいます。
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しかし、クルマを安全に走らせるためには、定期的に各部の点検や部品交換などが必要不可欠です。法定点検では、安全にクルマに乗るために必要な点検や、そのクルマの状態に合わせた部品交換・調整などが実施されます。そのため、定期点検(法定点検)は受けるようにしましょう。
保安基準に適合しているか確認する「車検」
車検は、保安基準に適合しているか確認する検査です。自家用自動車の場合、新車登録から3年、以降2年ごとに受ける必要があります。
車検は、あくまでも保安基準を満たしているか確認する検査となるため、定期点検(法定点検)のときに実施されるような予防整備は必須ではありません。
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また、車検切れのクルマは違反ではありませんが、車検切れのクルマで公道を走行するのは違反です。もし、車検切れのクルマで公道を走行した場合、一発で免停以上の処分になるだけでなく、罰則や罰金が科されます。そのため、クルマに乗り続けるのであれば、車検の期限が切れる前に車検を受けましょう。
点検は自分のためでもあり他者のためでもある
日常点検、定期点検(法定点検)、車検といったクルマの点検は、いずれも法律に定められている実施すべき点検です。そのため、各点検は確実に行いましょう。
また、日常点検や定期点検(法定点検)を確実に実施していれば、より安全にクルマを走らせることができるだけでなく、クルマの故障による事故のリスクを抑えることができます。
自分の身を守ったり他者の安全を確保したりするためにも、日常点検を適切な時期に実施し、1年ごとに定期点検(法定点検)を受け、定期的に保安基準に適合しているか検査するようにしましょう。