2027年にマツダがとんでもないエンジンを実用化する! 究極の「エコ性能」をもつ「SKYACTIV-Z」のいまわかっている中身 (2/2ページ)

ハイブリッドと組み合わせることがキモ

 さて、もうひとつの「スーパーリーンバーン」については、かなり詳細まで発表された。

 ご存じのようにガソリンエンジンにおける理想的な燃焼比は燃料1:空気14.7(重量比)となっている。リーンバーンというのは空気の比率を高める(燃料を少なくする)という希薄燃焼であり、燃費改善には効果的だ。しかし、空気が多いということは酸素が余ってしまう。それによってNOx(窒素酸化物)が多量に生成され、その後処理にコストがかかるというのが大きな課題だった。

 マツダがSKYACTIV-Zエンジンで採用するスーパーリーンバーンは、燃料1:空気14.7という理想の比率は守りつつ、空気と同量のEGR(排気再循環)を取り入れることでNOxの発生を抑えたリーンバーンを実現するというアイディアだ。

 ただし、これほどEGRを多量に取り込むと、しっかり燃焼させることが難しくなるのは容易に予想できるところ。

 そこで登場するのが、SKYACTIV-Xで確立したSPCCI燃焼である。スパークプラグによる点火圧力による自己着火を実現したSPCCI燃焼技術があるからこそ、スーパーリーンバーンが可能になっているという。やはり、これまでの積み重ねてきたエンジン技術の成果によって、究極のエンジンSKYACTIV-Zが生まれていることがわかる。

 結果として、マツダが過去にローンチしてきたSKYACTIVエンジンよりも圧倒的に広範囲で高い熱効率を実現することが可能になるというSKYACTIV-Z。前述したように、マツダ独自開発のハイブリッドシステムと組み合わせることで、熱効率にすぐれたゾーンを外さずにドライブできる、実用エンジンに仕上がることも期待される。はたして、どのような乗り味に仕上がっているのか、その走りが楽しみだ。


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山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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