
この記事をまとめると
■ホンダの事業創出プログラム「IGNITION」が支援するスタートアップ「UMIAILE」が設立
■自律航行型無人船をコアに海洋観測の革新を目指す
■無人海洋機市場の急成長とともに今後の発展が期待される
ホンダが支援するスタートアップ企業が新たに設立
ホンダがスタートアップ事業を支えるプログラムを手がけていることをご存じだろうか。その名は「IGNITION」。従業員のもつ独創的な技術やアイディアを形にし、社会課題の解決と新たな価値創造につなげることを目的とした新事業創出プログラムである。
2017年にホンダの研究開発子会社である株式会社本田技術研究所でスタートし、2021年にはホンダ全社へと対象を拡大。さらに、2023年11月には社外にも間口を広げ、起業を目指す個人、またはシードステージで起業3年以内のスタートアップ企業を対象に公募を受け付けている。
具体的な内容としては、一次審査を通過した応募者に対し、二次審査までの半年から約1年間、ホンダ社内の技術開発・デザイン・事業開発の知見をもつ専門チームがサポートを行い、新規事業の創出・育成を支援。さらに、二次審査を経てCV審議会(スタートアップへの出資を判断するHonda社内の審議会)を通過した個人や企業には、Hondaの事業との連携や協業に加え、Hondaからの出資など、複数の選択肢を用意している。
すでにトータルで1000件以上の応募を集めており、3つの事業化の実績をもっているIGNITIONの支援によって、今回新たなスタートアップ企業「UMIAILE」が設立された。
UMIAILEは、「”海の見える化”を通じて平和で豊かな地球を守る」ことを目指し、自立航行し海洋情報を収集する小型無人ボート「UMIAILE ASV」を販売。くわえて、ASVを通じた海洋データの収集、分析、提供といった事業を2025年4月からスタートする。
発表会で登壇したUMIAILEの代表である坂井亮佑氏は、2015年にホンダに新卒で入社。電動モビリティ・ロボットの車体設計業務に従事するなか、業務外活動として水中翼船を開発していた。そこから自発テーマとして船体姿勢制御技術を研究し、IGNITIONに応募。事業開発や創業メンバーの参画をすすめ、今回晴れてUMIAILEの設立に至った。