「GT-RやZは作らねばならない!」 窮地の日産が「改めて日本は重要な市場」と表明して今後の新車投入や戦略を説明 (2/2ページ)

注目モデルが続々と登場!

 さて、日産の首脳陣が今後の日産について語ったところで、次に我々が目にしたのは今後販売される予定の新型車たちだ。オフレコ車両も多かったが、その一部をお伝えしたい。

 まず、デザイナーのアルフォンソ・アルバイザ氏のアンベイルにてお披露目したのは、3代目となる新型の日産リーフだ。

「初代リーフは日産を象徴する革命的な1台でした。この新型は、そんな初代モデルからインスピレーションを受けています。小さなパワーでありながら、空力を重視し、風が流れるようになっているのが特徴です。しかし、風が流れるような佇まいでありながら、モダンで筋肉質なボディラインとしています。ルーフはパノラミックルーフを採用し、リヤは迫力のあるパワフルな印象としています」と、特徴を語った。デザインにはおおよそ3年の歳月を費やしたとのこと。

 日産のデザインには、「粋」「間」「整」「傾く」「移ろい」という軸があり、このリーフにはさらに「駿」と「翔」という要素も与え、クリーンかつ繊細でありながら、力強さも取り入れた、日本らしさを全面に押し出している新世代のEVとしている。

 現行モデルのリーフと比較すると、よりSUVチックな雰囲気となっており、実車を見た印象としては、フラッグシップEV「アリア」を小さくしたような佇まいだ。

 プラットフォームはアリアと同様のCMF EVプラットフォームとし、3-in-1パワートレインを採用。足まわりは19インチのホイールとし、北米モデルにはNACS充電サポートを搭載するほか、日産初のテスラスーパーチャージャーへも対応する。

 走行性能や空力特性の見直しで、現行モデルと比較して大幅な航続距離改善が見込まれているそうだ。続報に期待したい。

 発表のステージでは、国内外合わせて30モデル以上の新型車を投入すると発表があったが、会場の外には、今後販売も予定されているモデルや、海外専売モデルを含め、15台ほどの車両が用意されていた。

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 現場には、イヴァン氏が語った『パートナーシップ活用モデル』に含まれる、ルノー5 E-Techエレクトリックをベースに、欧州で販売されるマイクラEVや、2023年のJMSで発表されたコンセプトモデル、「ハイパーパンク」をベースに、市販化一歩手前までの状態となっている、新型ジュークEVも置かれていた。

「こんな奇抜なデザインになった背景は、『元々CG(ポリゴン)で作ってるクルマなんだから、そのまま実車もポリゴンにしちゃえ』という意見からこうなりました」と関係者は語る。明らかに異質……とまではいかないが、この見た目で街を走っていたら注目度抜群だろう。その是非は見た人の判断によるが……。ちなみに、見た目は当時のコンセプトカーにかなり近かった。ボディサイズこそもっとコンパクトだが。

※画像は2023年のJMSで展示されたコンセプトモデル

 また、エクサキャノピーを彷彿とさせるコンセプトEVバンや、北米で販売予定の新型ローグ(日本ではエクストレイル)、同じく北米などで人気のピックアップトラックのフロンティア、新型リーフの廉価グレードなども置いてあった。

 この記事で語れるのは一部モデルだが、オフレコとなる展示車両のなかには、これから販売予定とされる、誰もが待ち望んだであろう、大注目必至の新型モデルなども含まれていた(鋭意開発中とのこと)。これらを見たら、「日産の逆襲劇が本当に始まりそうだな」と、本当に感じられるような内容であった。続報に期待したい。

 どん底に陥っているといっても過言ではない現在の日産。口で「頑張ります」とはいくらでもいえるが、数十万人社員の人生を預かっているだけに、結果を残さなければいけない。これ以上後には引けないのだ。よって、次期社長となるイヴァン氏に課せられた責任はあまりにも重い。ただ、今回の発表を見て、そんな心配は無用になるかもしれないと感じた。なぜなら、もうすぐ新生日産の第1章が始まるのだから。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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