この記事をまとめると
■Ample社が短時間でバッテリー交換が可能なEV向け技術を開発
■三菱ふそうやENEOSと提携し、京都に続き東京にもステーションを設置
■商用EV導入を加速させるとともに持続可能な都市環境の実現に貢献する
EV給電のゲームチェンジャーとなるか
Ample社は、アメリカを拠点とする電気自動車(EV)のバッテリー交換技術を開発・提供する企業である。独自のモジュール式バッテリーを採用し、専用ステーションで数分以内にバッテリー交換を完了できる仕組みを構築。従来の充電方式に比べて時間を大幅に短縮し、ライドシェア車両やフリート(商用車)向けの効率的なエネルギー補給手段として注目されている。
モジュール式バッテリーとは、小さなバッテリーパックを組み合わせて作られた電池のこと。ひとつひとつのモジュール(小さな電池ユニット)を組み合わせることで、大きなバッテリーとして機能する。Ample社のシステムでは、このモジュールを簡単に交換できるため、EV(電気自動車)のバッテリーを短時間で入れ替えられるのが特徴。まるで乾電池を交換するような感覚で、EVの充電時間を大幅に短縮できる仕組みなのだ。
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今回、Ample社は三菱ふそうトラック・バスおよび三菱自動車工業と提携し、東京にバッテリー交換ステーションを設置することを発表した。この取り組みは、東京都が掲げる2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減する目標を支援するものだ。
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Ample社のバッテリー交換ステーションでは、5分で電気自動車のバッテリー交換が可能であり、交換費用は32kWhバッテリーで約2000円からとなっている。プロジェクトの第一段階では、商用・配送フリート向けに展開し、最終的には一般消費者にも利用可能なネットワークを構築する計画となっている。
2024年初頭、Ample社は三菱ふそうトラック・バス株式会社およびENEOSホールディングスとのパートナーシップを通じて、京都でバッテリー交換ステーションの運用を開始した。
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この成功を受け、東京への展開が決定。東京都環境公社からの助成金を受けて、各ステーションは100台以上の車両をサポートし、物流・商用車両向けの追加充電ソリューションとしての役割を果たす予定だ。これにより、都内の商用EV導入を促進し、持続可能な都市環境の実現に寄与する。
このようなモジュールタイプのバッテリー交換が普及すれば、一般ユーザーの電気自動車購入も促進されることだろう。このプロジェクトの成功を切に願うばかりである。