まだ「ミニバン」が市民権を得る前に「高級多人数乗車」を実現! 3代目日産ラルゴがいま思えば偉大なクルマだった (2/2ページ)

シートアレンジに人気の秘訣アリ

 パワートレインは2リッターターボディーゼルエンジン、または2.4リッター自然吸気ガソリンエンジン。1997年式のハイウェイスターの例を挙げると、KA24DE型エンジンのスペックは145馬力、216Nmで、10・15モード燃費は7.8km/Lときわめて平凡。ミッションは4速ATのみで、駆動方式はFFと4WDを用意していた。サスペンション形式はフロントがストラットで、リヤがマルチリンク。タイヤサイズはフロントが195/70R14、リヤが215/65R15という前後異径サイズを採用し、最小回転半径は5.5mと小まわり抜群である。

 3ナンバーサイズのボディということもあり、室内空間は広々。室内長2840×室内幅1605×室内高1235mmを誇った。しかもデュアルエアコンを用意し、後席の空調環境にも配慮されている。

 さらに、多彩なシートアレンジも自慢のひとつだった。車中泊も可能な2/3列目席フルフラットアレンジはもちろん、2列目席を180度回転することで、3列目席との対面シートアレンジまで可能だ。これは楽しい。停車時のリビングスペースとして大活躍してくれたこと間違いなしである。

 しかし、デビューから6年の1999年にラルゴはオーダーストップ、生産終了となった。その理由は、1999年当時、日産にはすでにエルグランド(初代1997年~)、セレナ(2代目1999年~)、プレーリーリバティ(3代目1998年~)などのミニバンがひしめき、一定の役割を終えたというところだろう。


この記事の画像ギャラリー

青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報