この記事をまとめると
■令和6年7月26日に横断歩道の設置基準の一部が変更された
■条件を満たした横断歩道は標識の設置を省略できるようになった
■設置基準は変更されても取り締まりの基準は変更されていない
横断歩道は標識とセットで設置するのが基本
さまざまな場所に設置されている横断歩道。この横断歩道の設置基準の一部が変更され、令和6年7月26日から施行されています。この記事では、横断歩道の設置基準の概要や横断歩道の標識を省略できる条件などを解説します。
横断歩道は標識と標示のセットで横断歩道となる
道路にある標識や標示には設置基準が設けられており、横断歩道も定められている設置基準に従って設置されています。
警察庁が公開している「交通規則基準」によると、「横断歩道を設ける場合は道路標識(横断歩道)および道路標示(横断歩道)を設置するものとする」と明記されています。つまり、横断歩道として認められる横断歩道は、道路標識と道路標示がなければならないということです。
横断歩道の標識画像はこちら
そのため、標識がなく標示だけの横断歩道は、設置基準を満たしていないということになります。しかし、この設置基準の一部が令和6年7月26日から変更され、条件を満たした場合に標識の設置を省略できるようになりました。
横断歩道の標識を省略できる横断歩道の条件とは?
横断歩道の標識を省略できる条件は次のとおりです。
【1】交差点の全ての入口に横断歩道が設けられることとなる場合
【2】道路標識により車両等が一時停止すべきこととなる場合
ここからは、それぞれの条件について詳しく解説していきます。
交差点の全ての入口に横断歩道が設けられることとなる場合
「交差点の全ての入口に横断歩道が設けられることとなる場合」とは、十字路であれば4カ所、丁字路であれば3カ所と、交差する道路のすべてに横断歩道が設置されている場合です。この場合は横断歩道の標識を省略できます。
全ての交差点の入口に設置された横断歩道画像はこちら
道路標識により車両等が一時停止すべきこととなる場合
「道路標識により車両等が一時停止すべきこととなる場合」とは、一時停止(止まれ)の標識により、一時停止しなければならない場所の先に横断歩道がある場合です。この場合も横断歩道の標識を省略できます。
省略される条件が追加された経緯
そもそも交通を規制する道路標識や道路標示は、歩行者や運転者から見やすく、必要な数を設置することとされています。
横断歩道と横断歩道標識画像はこちら
この記事で紹介している「条件を満たした場合に横断歩道の標識を省略できる」という新しい設置基準は、警察庁の通達によると、「道路標識の見やすさの向上に加え、横断歩道等の整備及び更新に係る費用の合理化並びに施工の迅速化を図ることができ、更なる交通の安全の確保が期待される」とのことで追加されました。
歩行者が渡り始めている場合は歩行者が優先
横断歩道の設置基準の一部変更により、基準を満たしていない横断歩道においては取り締まりが無効になるケースがあります。
ただし、設置基準の条件を満たしている横断歩道を渡っている歩行者や横断歩道がない交差点を渡っている歩行者を妨害したときの交通違反などは継続されるため、横断歩道に一歩でも足を踏み入れている歩行者がいるときや横断歩道がない交差点やその付近を渡り始めている歩行者がいたときは、一時停止して歩行者に道を譲らなければなりません。
横断歩道を渡っている子ども画像はこちら
設置基準は変更されても取り締まりの基準は変更されていないため、横断歩道を通過するときは、横断者がいないかしっかり確かめるようにしましょう。