エアロダイナミクスに優れたスタイリングでi8の後継と噂されていた
その最高速を可能にするエアロダイナミクスの優秀さは、ボディデザインからも容易に想像できるところだが、フロントに21インチ径、リヤに22インチ径を採用したホイールもまた、それぞれに独自の空力面での役割を担っている。
フロントのそれはブレーキの冷却効率をより高め、またリヤはフロントとは異なるデザインとフィンを組み合わせることで空力効率をさらに最適化。そのほかにもこのビジョンMネクストでは、積極的なエアロダイナミクスへの取り組みが見られるのだ。
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インテリアのデザインや機能もまた、当時最新のスペックを誇るものだった。すでに市販車にも導入されていたインテリジェントパーソナルアシスタントはもちろんのこと、登録したドライバーが車体に近づくと自動的にドアロックが解除される顔認証システムの採用。
さらにはフロントウインドウ全体にAR(拡張現実)感をもたせたヘッドアップディスプレイを装備するなど、未来のBMW車に対しての期待感を高める技術が満載されていた。
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その一方でインテリアは、ドライバーが運転に集中できるように比較的シンプルなデザインが特徴だった。
発表当初は、i8の後継車へと進化するのではないかとも噂されたビジョンMネクストだが、BMWは2020年4月、その量産計画の中止を発表。それが誕生すれば、まさに最新世代のBMW製スーパースポーツとして大きな話題を呼んだかもしれないことを考えると、その量産化の断念はじつに残念な選択といえた。
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ちなみにBMWからは2025年以降に、ピュアエレクトリックのMモデルが誕生することが明言されている。