BMW i8の後継と目されるも市販化を断念! 立ち消えたのが残念すぎる「ビジョンMネクスト」というコンセプトカー (1/2ページ)

この記事をまとめると

BMWが2019年に発表したコンセプトカーが「ビジョンMネクスト」だ

■直4ターボと2基のモーターによる最高出力は600馬力とされた

■i8の後継車として期待されたが2020年4月にBMWから量産計画の中止が発表された

過去のレガシーからモチーフを得たシャープなスタイリング

 BMWから新たなスーパーカーがデビューするかもしれない。そのような噂が渦巻くなかで、2019年のIAA(フランクフルトショー)で初公開されたコンセプトカーが、ここで紹介する「BMWビジョンMネクスト」だ。

 そのシャープなライン構成のボディは、現在でも十分に魅力的なスタイルに感じられるものだが、これはBMWが1973年に公開したコンセプトカーの「ターボ」や、2014年に販売が開始されたPHEVの「i8」、そして現代にまで続くMモデルの原点たる「M1」などにモチーフを得たもの。

 ボディカラーをシルクマットキャストシルバーメタリックとする一方、前後セクションをスリリングオレンジと呼ばれる、ターボのボディカラーにも使用された、鮮やかなオレンジでペイントするなど、その刺激的なフィニッシュは多くの新型車の発表で賑わうIAAでも大きな話題を呼んだ。

 ちなみにそのボディはリサイクルされた炭素繊維によるもので、ここでもBMWは技術的な先進性と環境への対応を、世界に向けて強くアピールしている。

 BMWビジョンMネクストのパワーユニットは、直列4気筒ターボエンジンと2基のエレクトリックモーターを組み合わせたものもので、各々の詳細なスペックは発表されなかったが、システム全体での最高出力は600馬力に達すること、またミッションには8速ATが採用されていることは明らかにされている。

 もちろんこのパワーユニットにはPHEVのシステムが搭載され、ゼロエミッションのEV走行は最大で100kmを実現。このEV走行時の駆動方式は4WDとなるが、ほかにガソリンエンジンのみを使用したRWDでの走行も可能とされた。

 車重は発表当時の数字で1600~1700kg。最大のパフォーマンスを発揮する「BOOST」モードを選択した時には、0-100km/h加速で3秒フラット、最高速では300km/hを実現した。


この記事の画像ギャラリー

山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報