理想の旧車ライフのためにはハイレベルな改造が必要!?
③パワステ
旧車に乗った経験がないと気づけませんが、旧車にはパワーステアリング機能がない車種がけっこうあります。1980年代でも後半にならないと標準装備はされません。
クルマが進んでいるときは今のパワステ付き車両と変わりないのですが、駐車の際の切り返しのときなどに、その効果を痛感することになります。パワステが付いていれば手のひらのグリップ力だけでクルクルとハンドルを回すようなこともできちゃいますが、パワステレスのいわゆる「重ステ」車では両手で力いっぱい回さないと据え切りできない車種もあり、真夏の縦列駐車では汗だくになることもあったりします。
重ステを回すイメージ画像はこちら
このパワステも車両に組み込まれている機構なので、あとから追加するのは容易ではありません。そのため我慢して重ステのまま乗っている人がほとんどでした。しかし、あるショップが軽自動車に採用している電動のパワーステアリング機構に目を付けて、それを旧車に装備して話題を呼びました。いまは主要車種用にパワステキットが販売されていたり、施工メニューが用意されていたりしています。
④多段AT(またはCVT)化
旧車=マニュアル車というイメージをもっている人も少なくないのではないでしょうか。しかし、オートマチック式ミッション(以下AT)が国産車に初めて導入されたのは1958年だそうで、かなり昔からあったのです。
ただ、そのときはMTも同様ですが段数が少なく、MTと同じ5速が登場したのは1989年のことでした。今ではコンパクトカーにも8速ATが搭載されたり、無段変速のCVTが普及していたりしています。旧車は趣味性が強いせいか、MTでシフトチェンジを楽しみたいというケースも多いようです。しかし、渋滞にハマるとそれが一転して修行のようになってしまいますし、なかにはシフトチェンジが苦手という人もいるでしょう。
旧車のMTシフトノブのイメージ画像はこちら
これはまだ実現の例がほぼありませんが、いまどきの多段ATミッションを旧車に搭載してしまおうと考えているショップはあると思います。搭載自体は不可能ではありません。もとのMTから新しい多段ATへと交換するのは物理的には可能です。ただし、操作系統の移植や、制御系の調整にはかなりの時間と手間を要するでしょう。費用に余裕があれば、チャレンジしてみてもいいかもしれません。
⑤EVコンバート
世界的にEVへの移行が進んでいますが、アナログ感全開の旧車には縁のない話……と考えている人がほとんどだと思います。しかし、かなり前から旧車をEV化するプロジェクトは存在していました。昨今ではオートサロンなどのショーで、自動車学校の卒業制作でEV化した旧車を出展している例もあります。
旧車のEVコンバートの例画像はこちら
カンタンにいってしまうと、エンジンをモーターに置き換え、燃料タンクの代わりにバッテリーを搭載し、制御・操作系のシステムを組み付ければEVコンバートの完成です。
モーターやバッテリー、制御系などの必要なユニットは汎用のキットが複数販売されていますし、EV化を支援する自治体のバックアップなどもあるため、個人や団体がEV化に挑戦しやすいベースはあるようです。まだ実用面では「?」なところはありますが、夢は感じますね。