この記事をまとめると
■旧車人気の高まりとともに利便性向上を求める声がしばしば聞かれる
■エアコンやパワステなど快適装備のあと付けが場合によっては可能だ
■EV化や多段AT化など、さらなる現代化の可能性も模索されている
乗るのがキツい旧車は現代の技術で快適になる?
近ごろ、旧車ブームの影響か、街なかでちらほらと旧車の姿を見かけることが増えてきたように感じます。ゆったりと余裕をもって古きよき雰囲気を楽しむ姿には憧れますが、実際に所有するとなると、便利な機能が満載の現代のクルマに慣れた身からすると不便さが気になってきそうです。また、環境のことを考えると逆行しているようで世間体もよくないかも、なんて考えも浮かび、二の足を踏んでしまうケースがほとんどでしょう。
旧車乗りの姿勢も、以前は雰囲気重視でそのままの味を楽しむ派が多くを締めていましたが、徐々にエンジョイ勢が増え始めているように思えます。便利な機能は追加するのが正義という感じで、積極的にテクノロジーを取り入れるケースも増えているのです。
今回は、旧車が実際にどれくらい新しいテクノロジーを採り入れることができるのかを掘り下げてみようと思います。
①エアコン
クルマの装備で故障すると不便を感じてしまう筆頭がこのエアコンでしょう。とくにクーラーの機能が失われると、夏は乗り切れません。ここ10年くらいは年々暑さが厳しさを増してきている感があるので、出かけるのをためらうレベルになるでしょう。
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また、車内を冷やすクーラー機能のほかにも、梅雨時期などに湿気を除去する機能も重要です。湿気によって窓の内側が曇っていまい、視界が失われてしまいます。ワイパーでは拭き取れないので、クルマを止めてウエスなどで拭くしかありません。
昔の人に聞くと、暑い時期なのにヒーターをかけて曇りを抑えたという話もあるそうです。このエアコン機能ですが、今のクルマでは完全に車両に組み込まれているため、旧車に装備するのはかなり困難だと思う人も多いと思います。しかし、旧車を快適に乗り回したいという欲求は大きいらしく、かなり前からあと付けのクーラーキットが販売されていました。
吊り下げ式のクーラーキット画像はこちら
助手席前のグローブボックスの下に室内機を装着する「吊り下げ式」というものが主流で、昔はアメリカ製のものを輸入して販売していました。輸入自動車代理店もオプションで用意していたりするので、中古車を購入するときに装着されていたりすることもあります。欠点は、ただでさえ非力なエンジンの出力が食われてしまうことと、装着費を含めた導入費用がけっこうかかるという点です。
いまでは安い製品も出回っているようですし、電動のコンプレッサーを使ってエンジンの出力を食わないものもあるので、以前ほどのデメリットはないといっていいでしょう。
②ナビゲーション
今では徒歩で出掛けるときにもスマホのナビゲーションを使う人が増えているため、ドライブに出掛けるときにもナビゲーションは必須の装備といえます。とうぜん、旧車にナビゲーションなんていう電子機器は装備されていませんので、あと付けする必要があります。
ひと昔前の、いわゆる“カーナビ”と呼ばれていた2DIN(または1DIN)サイズのセンターコンソールに埋め込むタイプは旧車の狭いセンターコンソールには装着不可能なので、ポータブルタイプをステーを介して装着している例はありました。
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しかし、旧車の雰囲気を損なうことと、ステーを固定する際にダッシュボードを加工するのをためらうオーナーが多く、主流にはなりませんでした。
いまではスマホのナビゲーションを活用するのが主流になっていて、さまざまなマウントキットが販売されているので、加工も最小限で済むようになってきています。