ロードスターとかMAZDA2でさえ「大人な色」だらけ! 昔のマツダは信じられないほど「ド派手でカラフル」だった

この記事をまとめると

■魂動デザインを採用した近年のマツダ車は上質で渋いボディカラーが主流だ

■かつてのマツダにはビビッドさが特徴的なボディカラーも存在した

■過去の鮮やかな5色を採用モデルとともに振り返る

現在のラインアップからはとうてい考えられないハデさ

 CXー80のメルティングカッパーメタリックや、ロードスター35周年記念車のアーティザンレッドプレミアムメタリックなど、魂動デザインによる近年のマツダのボディカラーは上質かつ渋さの極みを見せています。

 それはそれとして今回は、歴代のマツダ車に存在した現在では信じられないビビッドな5色を振り返ってみたいと思います。

●小説の素材にもなったグリーンボディ

 まず思い出されるのが、2007年に発売された3代目デミオ(DE型)の「スピリティッドグリーンメタリック」です。

 3代目デミオは「パーソナル・スマート・コミューター」をコンセプトとしてサイズダウンを敢行、なんと先代から40mmも短くなったボディはウエッジの効いたスポーティな佇まい。さらに100kgの軽量化は走りの実力も大幅に向上させました。

 そのクサビ型ボディと明るく彩度の高いグリーンの組み合わせは実に印象的で、伊坂幸太郎の小説に取りあげられたのもクルマ好きには知られた話。ある種のキャラクターともなりえた希有なケースといえそうです。

●シンプルボディに似合う爽快オレンジ

 次はひと世代戻り、2002年に登場した2代目デミオ(DY型)も取り上げます。ピックアップしたボディ色は「スパイシーオレンジ」。

 2代目デミオでは、大ヒットした初代からプラットフォームを一新、基本は箱型をキープしつつも空力を意識したスポーティさが加味されました。この2代目は当初から内外装色の設定が豊富で、イメージキャラクターの伊東美咲さんが提案した「スターダストピンク」も話題に。

 そのなかでも、文字どおりフルーツのような「スパイシーオレンジ」の明るさは圧倒的で、こんな派手な色が似合っていたのもシンプルなボディスタイルのお陰といえるでしょう。

●ルージュのように艶やかなレッドカラー

 3つ目に取り上げるのは、2004年に発売されたベリーサの「ベロシティレッドマイカ」です。

 ベリーサは、「シンプルクオリティコンパクト」をコンセプトとし、デミオをベースに高い質感と丹念な作り込みを特徴とした国内専用車。1世代限りとなってしまいましたが、広い室内も好評で、いまでも大切に乗っているユーザーも少なくないようです。

 もともとマツダは「赤」を大切にしてきたメーカーですが、この専用色は極めて彩度が高く、まるで真っ赤なルージュのような光沢と厚みを感じさせるものでした。色自体に高い質感があったユニークな例ですね。

●軽快なスポーティさを演出したイエロー

 次に選んだのは、2002年登場の初代アテンザに採用された「カナリーイエローマイカ」です。

 初代アテンザは、ブランドフレーズである「Zoom-Zoom」を体現した第1弾として登場。コンセプトカーの「KOERU」などを手掛けた小泉巌氏によるスタイリングは極めてまとまりがよく、国内外で多くの受賞を誇ったヒット作です。セダンやスポーツなどボディタイプをもたせた点もユニークでした。

 同車は黄・青・赤の3原色をイメージカラーとしましたが、なかでも黄色は非常に鮮やかで、このミッドサイズカーをよりスポーティに見せた点が秀逸でした。

●まるでプラモデルのような青色ボディ

 最後は少し変わったところから、1992年登場のオートザムAZ-1に採用された「サイベリアブルー」を取り上げます。

 AZ-1は、1989年の東京モーターショーに出品された「AZ550」の市販版として、ミドシップの2シーターボディにガルウイングドアを装備。5チャンネルのなかでコンパクトカーを扱うオートザムブランドで販売されたスペシャルミニでした。

 販売台数としては赤が多かったようですが、この鮮やかな青はもともと小さなボディをまるでプラモデルのように見せ、そのおもちゃっぽさが魅力的でした。

 さて、今回は歴代マツダ車から、あえてビビッドなボディカラー5色を選んでみました。魂動デザインの高品位かつ高品質の塗装も素晴らしいですが、肩肘張らない明るいボディ色もまた違った魅力があったと思えますね。


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すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

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