この記事をまとめると
■カローラにはランクスという派生車が存在した
■トップグレードは2ZZ-GE型を搭載し190馬力の出力を誇った
■TRDが仕立てたホットモデルも存在したが高額だったためヒットしなかった
カローラシリーズに存在したホッチハッチ
古くから存在してきたホットハッチにおけるひとつの究極系となったのが、1997年に登場したシビックタイプRであることに異論がある人は少ないのではないだろうか。
もともとは実用的なハッチバック車だったシビックをベースにスポーティグレードに搭載されていたB16A型エンジンをさらにチューニングして185馬力を叩き出すB16B型エンジンを搭載したほか、ボディ補強や締め上げられたサスペンションなど、サーキットが本籍地といえるほどの過激さをもっていたモデルである。
ホンダ・シビックタイプR(EK9)画像はこちら
そんなシビックタイプRには多くのライバルが挑んで散って行ったが、トヨタの名車であるカローラの名前を持つハッチバック車である「カローラランクス(派生車にアレックスも存在)」のホットグレードも、そんなモデルのひとつだった。
2001年1月に9代目カローラの派生車種として登場したカローラランクスは、5ドアハッチバックボディをもつモデルとなっており、日本市場向けのカローラの名前を冠する5ドアハッチバック車としては、1992年に終売した2代目カローラFX以来のモデルとなっていた。
トヨタ・カローラランクス画像はこちら
基本的にはカローラの量販モデルと同じく、1.5リッターエンジンを搭載するグレードが基本となるが、上級仕様として1.8リッターエンジンを搭載する仕様もラインアップ。
その1.8リッターエンジンはスポーツエンジンの2ZZ-GE型となっており、このエンジンを搭載する「Z」グレードこそ、カローラランクスのホットモデルとなっていたのだ(のちに1.8リッター実用エンジンの1ZZ-FEを搭載するグレードも追加)。
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このZグレードに搭載された2ZZ-GE型エンジンは190馬力を発生し、4速ATのほか6速MTも設定。ブレーキも4輪ディスクブレーキとなるなど、走行性能が高められていたのだが、シビックタイプRほどの過激さはもち合わせていなかった。
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そこで、トヨタテクノクラフト(当時)が手がけるコンプリートモデルとした「TRDスポーツM」というモデルを設定。これはカローラランクスのZをベースに、専用の吸排気系や吸気ポートの研磨などのチューニングを実施して最高出力を205馬力まで高め、足まわりなども専用品が奢られていた。
カローラランクス TRDスポーツM画像はこちら
さらに、オプションとしてエアロパーツやスポーツシート、ストラットタワーバーといったチューニングパーツも設定されており、よりホットな仕様にすることもできたのだが、価格がTRDスポーツMの素の状態で約235万円と、当時のシビックタイプRよりも高額で、5ドアハッチバックというボディタイプも相まってかシビックタイプRのような人気車種になることは叶わなかったのだった。