この記事をまとめると
■鈴鹿サーキットにてユーザー向けのランボルギーニ・レヴェルトの試乗会を開催
■レヴェルトが装備するタイヤはブリヂストンの専用タイヤ「ポテンザ・スポーツ」だ
■見た目に反してマイルドな乗り味ながら異次元のグリップ力を発揮する
鈴鹿でランボルギーニのフラッグシップを駆る
F1グランプリコース、鈴鹿のホームストレートを6速276km/hで駆け抜けながら、その取りまわしの楽チンぶりにV型12気筒搭載のスーパースポーツであることを忘れさせる。初乗りでもフレンドリーなランボルギーニの最高峰、レヴェルトとはそんな存在だ。
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ランボルギーニ創立60年にして初のPHEVを搭載したレヴェルトは、これまた史上最強の6.5リッターV12自然吸気エンジンと3機のモーターを合わせて、最高出力1015馬力と、想像を絶する馬力を、じつに自然で扱いやすくドライバーに提供する。ヒトとクルマを一体にしたあまりに自然な制御に、「こんなにたやすく史上最強のランボルギーニに乗れてしまっていいのだろうか」とさえ思えてしまう。その機械的な進化、洗練の高さに戸惑いを覚えるほどだ。
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しかし現実問題、ボディサイズと速度のノリ過ぎにさえ注意すれば、ステアリングやアクセル、ブレーキという操作系の軽さも手伝い、誰にでも優しく扱える懐の深く広い特性が、現代のスーパースポーツに求められる要素である。
ミッションは8速DCTゆえにまだまだ速度の伸びシロはあるが、ユーザー向け試乗会の一端に参加させもらう都合上、攻める走りは控えた。第1コーナーのブレーキにはまだ余裕がある位置で、試乗車2台を先導するペースカーは早めにブレーキング開始。
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そうなることを予測してペースカーとの間に数車身ぶん空けておいたので、こちらは急減速しないまま軽いブレーキングとギヤを3速落としてステアリングを切り込む。すると200km/hオーバーからステアリング操作したとは思えないほどタイヤが路面に食いついたグリップ感とともに、まるでゴーカートのように瞬時に、そしてクイックにノーズはインを向く。
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そのタイヤ特性に驚きつつも、空力によるダウンフォースがフロントに重く加わるので、レーシングマシンと同じ感触になるが、さらにここにレヴェルトのモーターによるアクティブに曲げるためのトルクベクタリング機能が加わり、驚異的な性能を発揮する。
ちなみにレヴェルトのPHEVは、3基のモーターを搭載するうち2基(1基350Nm)は、前輪左右を個別に駆動制御する。つまりエンジン+モーターによる電動4WDである。よってフロントタイヤには、曲げる為の舵角、駆動トルクと、捻じる力、つまり前後と横方向に強力な力が加わる。
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ここで重要なのはタイヤのパフォーマンスだが、グリップ力の高さだけが重要ではない。曲げるために舵角が与えられたときの応答性や、そこに駆動トルクが加わり捻じられ加速し、ブレーキで減速もするからタイヤの構造上の剛性や強度も、通常よりも高い必要があるのだ。