金属の質感を保ちつつ軽量化! S30フェアレディZ乗り垂涎の「アルミ製外板」を纏ったクルマを発見 (2/2ページ)

協力企業のおかげで製品化目前

■業界初となる旧車用アルミ外板パネルの製品化

 そういった感じで多くのオリジナル製品をリリースしている「スターロード」ですが、井上氏の頭のなかにはずっと「いつかアルミで外板パネルを作りたい」という構想があったそうです。

 軽量だけならFRPなどの樹脂製がすでに販売されていますが、変形など劣化の問題があることと、「やっぱり旧いクルマは金属がしっくり来る」という感覚が強くあったことから、思い切ってアルミの製品化を考えるようになったとのこと。

 それが実現に向けて一気に進み出したのは、愛知の「矢作産業」との繋がりができたことでした。

「矢作産業」はトヨタの外板製品や試作品の製造を請け負っている会社で、井上氏の構想を話したところ、「やりましょう!」といい返事が得られたそうです。

※左がスターロード代表の井上氏、右が矢作産業の担当

 こうして何度かの試作を経て、ようやく満足のいくクオリティの製品プロトが完成。ショーへの出展で一般の人にお披露目となりました。

 そのアルミ製品のポイントは、なんといってもその軽さです。ボンネットとフェンダー、ドアの合計で、純正比で30㎏の軽量化を実現しています。

 なかには「アルミは鉄より弱いから……」と心配する人がいるかもしれませんが、ドア部分の比較では純正の数倍の強度があるとのこと。

 しかも国産のクオリティで、旧車ファンが好む金属製といいことずくめです。欠点を挙げるとすれば価格でしょう。

 作りを見ていくと、外側の成型の丁寧さも見どころのひとつなのですが、注目すべきはむしろ裏側です。

 素人考えではスチール製の純正をそのままスキャンして再現すればいいと思ってしまいますが、実際は素材の特性の違いなどを吟味した上で、裏側の造形はアルミ製だけのオリジナルとなっているそう。

 ボンネットを見れば、裏側にあるはずの裏骨が外周だけになっているのがわかります。

 製造の技術では、変形や劣化の元凶となる熱を極力かけずに仕上げているのがポイントで、パネルの合わせやステーの固定に「SPR」と呼ばれるリベット的な勘合方法を採用しているそうです。

 ショーの時点では生産の目処が立って、販売まであと一歩という段階のようでした。価格と発売時期の発表はもう少しだけ先になりそうです。


この記事の画像ギャラリー

往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

新着情報