日本を代表する超長寿モデルは伝統を崩さない!
●トヨタ・センチュリー(セダン)
初代トヨタ・センチュリーのフロントスタイリング画像はこちら
・デビュー年:1967年
・現行モデル:3代目
・現行モデルデビュー年:2018年
初代センチュリーは1967年デビュー、そして2代目は1997年デビューと、ひとつのモデルライフが極めて長いセンチュリー。現行モデルにあたる3代目は2018年デビューなので、初代が30年、2代目は21年と続いたことを考えると、一部改良を重ねつつも優にあと10年くらいは生産されることが考えられます。ちなみに、現行モデルの中古車はまだ1000万円オーバーの個体がほとんど。そこでいまのうちに国産V12エンジンを味わっておきたいと、比較的手が届きやすい価格帯(平均でも180万円)であることから、先代モデルの中古車を狙う向きがあるようです。
現行トヨタ・センチュリーのフロントスタイリング画像はこちら
ボディサイズを比較すると……
・初代:全長×全幅×全高:4980×1890×1450mm
・現行:全長×全幅×全高:5335×1930×1505mm
1967年の時点で全長5メートル級と、とてつもなく大きなクルマだったことが伺い知れます。現行モデルは全長約5.4メートル、全幅もほぼ2メートル。日本が誇る屈指の高級車だけに格の違いを実感します。また、2023年に発売されたSUV仕様のセンチュリーにも驚かされた人が多いのではないでしょうか。センチュリーSUVは、購入時に審査があるとされるモデル。まさに選ばれた人でなければ所有することが許されない、特別なクルマです。
●スズキ・ジムニー
初代スズキ・ジムニーのフロントスタイリング画像はこちら
・デビュー年:1970年
・現行モデル:4代目
・現行モデルデビュー年:2018年
デビューから55年でまだ4代目と、センチュリーと同様にモデルライフが非常に長いジムニー。フルモデルチェンジを繰り返すよりも、一部改良やマイナーチェンジを繰り返すことで熟成を重ねていく方式といえます。現行モデルは2018年にデビューして以来、納車まで1年ほど待つ状況が続いており、先日ついに追加された5ドア仕様の「ノマド」は、発表からわずか5日で受注停止に。指名買いのユーザーが多いモデルだけに、この人気高騰はしばらく続きそうな気配が濃厚です。
現行スズキ・ジムニーのフロントスタイリング画像はこちら
ボディサイズを比較すると……
・初代(LJ20型):全長×全幅×全高:2955×1295×1670mm
・現行(JB64型):全長×全幅×全高:3395×1475×1725mm
初代モデルから約50年後にデビューした現行モデルにあたる4代目ジムニー。初代モデルから大きくなったとはいえ、軽自動車規格に収まることもあり、街なかで見てもコンパクト。このキュートなスタイルが女性にも人気となり「ジムニー女子」なるキーワードが生まれたほど。
●まとめ:長く愛されるモデルはブレない?
2014年に開催されたマツダ ロードスター(ND型)のデビューイベントに、仕事抜きでいちクルマ好きとして参加したときのことです。メディアだけでなく、多くのロードスターファンが見守るなか、現行モデルのロードスターが姿を現したとき、会場から自然と「オー!」というどよめきと拍手が湧き起こったのです。
作り手であるメーカーが「イメージを保った」と世に送り出しても、評価するのはあくまでもユーザーです。一瞬で「コレじゃない」といった評価を下されてしまう可能性もあるなか、筆者を含めて好意的なリアクションだったと記憶しています。そして、いま、多くの現行ロードスターが街なかを走っています。10年選手とは思えないほど古さを感じさせない魅力的なデザインです。
4台目マツダ・ロードスターのフロントスタイリング画像はこちら
長く愛されるモデルはそれだけユーザーの期待値が高く、開発陣のプレッシャーも相当なものであることが容易に想像できます。と同時に、ある種の極限状態に追い込まれたからこそ、長く愛されるモデルが生み出されるのかもしれません。