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デリカミニ・スペーシアギア・N-BOXジョイの超人気軽自動車3台で500kmを激走! 燃費も走りも使い勝手も実走チェックした (1/2ページ)

デリカミニ・スペーシアギア・N-BOXジョイの超人気軽自動車3台で500kmを激走! 燃費も走りも使い勝手も実走チェックした

 スペーシアギア

この記事をまとめると

■三菱デリカミニとスズキ・スペーシアギアとホンダN-BOXジョイを長距離試乗

■パッケージングを比較して日常の使い勝手を検証

■燃費を計測しながらそれぞれを試乗インプレッション

アウトドア系スーパーハイト軽の実力とは

 大阪オートメッセ2025に東京から往復の道中、何かとロングツーリング比較するのはWEB CARTOP編集部の定番企画。今年は、旬のSUV風タッチを採り入れたスーパーハイト軽3台、三菱デリカミニとスズキ・スペーシアギア、ホンダN-BOXジョイを、燃費を含めて乗り比べてみた。

 東京―大阪間を軽で往復……と聞いて、いかにも日常使いの範囲を超えた苦行を出発前は予想していたが、3台とも長距離移動はそれなり以上に快適で、結果的に思いのほか、疲れは少なかったことは白状しておく。まったくの同条件でこそないが、ドライバー含め大の男が常時2~3名、数泊分の荷物ともども乗車していたにもかかわらず、だ。でもそれがすなわち、アウトドア系スーパーハイト軽は長距離ツーリングに向く、といった結論ではない。限界が見えたからこそ、むしろ軽スーパーハイトワゴンの得意な領域がはっきりした。

 今回、連れ出した各車のグレード内訳は、デリカミニだけ4WD仕様で「Tプレミアム」、スペーシアギアは「ハイブリッドXZターボ」、N-BOXジョイは「ターボ 2トーン」。前2者がMHEVで電気モーターのアシスト駆動が入るのに対し、後1者は純ICEとなる。いずれも内装や装備にアウトドア&レジャー感をトッピングした仕様だが、Bピラーレスでない点も共通項だ。

 まず外観は、逆光シルエットだけで3台を区別するのは至難の業だろう。だからこそフロントマスクやライトまわり、ガーニッシュやサイドのプレスラインにデザイン要素が集中する訳だが、逆にいえば全長3395×全幅1475mmは3車とも共通。全高はルーフレールのないN-BOXジョイだけが1790mm、対してスペーシアギアが+10mm、デリカミニは+40mm。

 ホイールベースは順に2520mm、2460mm、2495mmで、N-BOXジョイがもっとも長くスペーシアギアがもっとも短く、25~35mm刻みでデリカミニが中間となる。いずれも軽自動車枠いっぱいのなかで最適化されたがゆえのフォルムといえ、これらのわずかな違いが意外と車のキャラや走り味に出ているのだが、それは後述する。

 コクピットまわりのインテリアでは、全車とも9インチモニターとナビゲーションはオプション扱いで、トリムや調度の方向性にキャラが見え隠れする。

 まずSUVライクな軽を先駆けたデリカミニは、タッチセンサー式のエアコン操作パネルとシフトコンソールがピアノブラック調仕上げで、高級感を醸し出す。

 その分、メーターパネル内の液晶面積は小さめながら、速度計とレブカウンターというアナログ2連装メーターは確信犯ともいえる本格ぶりだ。加えてボタンを押した際の節度感など、操作系のタッチにも軽自動車離れしたところがある。

 一方で、メーターパネル内がほぼ液晶&デジタルの演出でヘッドアップディスプレイまで備わり、ダッシュボード中央のインフォテイメントと機能や表示の連携が先進的と感じるのはスペーシアギア。エンジンをONにした際に車体をぐるりと見まわす全方位ビューは、まるでドローン映像のようで、周囲の景色も読み込んでいるので、安全確認の一助にもなる。

 スペーシアギアの運転席は、基本的にボタン類がすべて乗り手の方を向いているといった作りで、スイッチは多いが整然とレイアウトされているため、必要な機能を見つけやすいことは間違いない。慣れたら替わりの利かないほど多機能でアクセス性の高い操作系といえるだろう。

 逆にN-BOXジョイの運転席まわりは、シンプルに大切な要素だけ焦点を当てることで、使いやすさを磨いたミニマリスト志向といえる。メーターパネルは7インチTFT液晶モニターなので、機能や表示が限られているわけではない。ブラウン系のチェック柄シートに合わせたベージュのダッシュボードなど、全体の素材感やハーモニーで頭ひとつ抜きんでている。

 ドアノブカバーのビス頭がやや目立つが、ドアパネル側エルボーレストがコンビシートと合わせた人工レザー仕様で、側面までに包み込みつつステッチが縫い込まれるなど、「大きめ細部」にはこだわりがある。

 ちなみに3車中もっともアウトドア色が薄いライト志向で、ステアリングヒーターは省かれているが、ステアリング両手位置にエアコンの風が当たる配置で、こういう無から有を作る賢さがN-BOXジョイの得意とするところだ。

 後席ユーティリティに関しては、磨き抜かれた日本のガラパゴス軽のなかで、電動自動引き込み式のスライドドアやシェード、2列目からも荷室側からもアクセスできるリヤシートの可倒性などに、大きな差はない。4WDであるためデリカミニの荷室床高がやや高いこと、N-BOXジョイは床下に収納スペースが備わるぶん、助手席下のアンダーボックスが省かれていること、また後席サーキュレーターもないことぐらいだ。

 ただ、ラゲッジ用途の解釈が相当に異なる。デリカミニとスペーシアギアのフロアボードは樹脂製で泥汚れにも強い作りで、スペーシアギアに至ってはラゲッジフロアも防汚タイプで、開口部下端には自転車を出し入れする際のガイドまで設けられている。

 一方で、N-BOXジョイは「ふらっとテラス」と称して、ラゲッジフロアからボード、リヤシート裏まで例のチェック柄で統一され、車中泊とはいかないまでも単なる荷室よりもワンルーム的なパーソナルスペースとしている。

 惜しむらくは、ボード側とリヤシート側でチェック柄の合わせがズレていなければ、スキなくお洒落だったのだが。

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