この記事をまとめると
■クルマのオプション装備にはメーカーオプションとディーラーオプションがある
■メーカーオプションのあと付けは難しいがディーラーオプションはあと付け可能だ
■ディーラーオプションを豊富に装着すると販売店は値引きを増額しやすい
クルマのオプション装備は2種類ある
クルマにはエンジンや装備などによってグレードの区分があり、ニーズに応じて装着できるオプションパーツも用意される。オプションには、メーカーの生産ラインで装着されるメーカーオプションと、販売店や物流センターで組み付けるディーラーオプションがある。
メーカーオプションは生産ラインで装着するため、機能の複雑なメカニズムが多く含まれる。たとえば後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットモニター、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドライト、ヘッドアップディスプレイなどで、これらは購入後に装着することはできない。メーカーオプションは購入時に選んでおく必要がある。
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一方、ディーラーオプションにはアクセサリーという表現もあり、サイドバイザー、エアロパーツ、アルミホイール、カーナビ、ドライブレコーダー、フロアマットなどが挙げられる。ディーラーで装着できる装備が中心だから、基本的には購入後でも付けられる。
たとえば購入後に、タイヤ交換と併せて、標準装着されていたスチールホイールからアルミホイールに変更することも可能だ。量販店などで汎用のアルミホイールに変更することもできるが、純正のディーラーオプションであれば、数年後の売却時に有利な面もある。
レクサスLMのアルミホイール画像はこちら
そして、カーナビやアルミホイールは、車種によってはメーカーオプションとディーラーオプションの両方に設定される。メーカー/ディーラーオプションを比べると、機能と価格のバランスでは、メーカーオプションがディーラーオプションよりも割安だ。メーカーオプションを装着した場合の販売会社が受け取る利益は車両価格に準じるが、ディーラーオプションには販売会社の利益が多く含まれるから価格が割高になる。
たとえばスズキスペーシアの標準ボディにメーカーオプションとして設定された全方位モニター付き9インチメモリーナビは、オプション価格が19万5800円だ。これと同等の機能を備えたカーナビをディーラーオプションから探すと33万円相当になる。メーカーオプションは割安に装着されている。
スズキ・スペーシアの9インチモニター画像はこちら
ノートに設定されたアルミホイールは、メーカーオプションは8万300円だが、デザインの異なるディーラーオプションは12万8040円だ。このように、ディーラーオプションは、メーカーオプションに比べて販売会社が受け取る利益も多いため、決算期などに実施される「オプション10万円プレゼント」などはディーラーオプションに限られることが多い。
日産ノートのアルミホイール画像はこちら
同様の理由で、ディーラーオプションのカーナビ、エアロパーツ、アルミホイールなどを豊富に装着すると、販売店は値引きを増額しやすい。値引きは利益を削って捻出するため、利益の多いディーラーオプションは、メーカーオプションに比べて値引きを増やしやすいわけだ。
セールスマンから「いま契約していただければ、30万円値引きします」などといわれても、ディーラーオプションを豊富に装着していたときは一概に喜べない。