キャデラックが日本市場に「本気」出してきた! 全車右ハンドルにCHAdeMO対応のSUV「リリック」がマジで日本向き!! (2/2ページ)

今までのアメ車イメージを覆す

 では、これらの華々しい実績をもたらした、キャデラック製BEVの魅力はどこにあるのか。若松社長は「美しいデザイン」「緻密なクラフトマンシップ」「豪華なインテリア」「驚異的な走行性能」の4つを挙げている。

 展示されていた実車を見てみると、全長×全幅×全高=4995×1985×1640mmという長くワイドで低いプロポーションなうえ、ホイールベースは3085mmとBEVらしく非常に伸びやか。そして室内もそのプロポーションから得られる期待を裏切らないレベルで広く、とくに後席の膝まわりは身長174cm・座高90cmの筆者が座っても30cmほどの余裕があった。

 しかも、1640mmの低い全高に、510kmの航続距離を実現する容量95.7kWhの「アルティウムリチウムイオンバッテリー」をホイールベース間に搭載し、前後席の頭上をカバーするガラスルーフを標準装備しながら、同じく約10cmのヘッドクリアランスを得られるという、優れたパッケージングのもち主でもある。

 そして内外装のデザインは、キャデラックらしい押し出しの強さを備えながら、極薄のランプ類や33インチのLEDディスプレイ、非動物由来の合成皮革「インタラックス」などの先進的な装備がもたらす、モダンかつ豪奢な質感も兼ね備えている。

 日本仕様に導入されるのは、170kW(231馬力)と309Nmを発するフロントモーターに、241kW(328馬力)と415Nmを発するリヤモーターを組み合わせ、トータル384kW(522馬力)と610Nmを発揮するAWDモデルの「スポーツ」グレードのみで、前後に275/45R21 107Vタイヤ(展示車両はコンチネンタル・プレミアムコンタクト6)を装着。車重は2650kgと相応に重めながら、0-100km/h加速は5.5秒、前後重量配分50:50というから、スポーティな走りも大いに期待できそうだ。

 そんな「リリック」日本仕様は、ディーラーが在庫をもたないワンプライス制の「エージェントモデル」として販売され、メーカー希望小売価格ではなく指定価格が消費税込みで1100万円。また3月16日(日)までは「ローンチキャンペーン」を実施中で、外装色5色(通常は3色)、内装色3色(通常は2色)、またふたつのルーフ関連オプションから選ぶことが可能となっている。

 そしてこの「リリック」に続き、2026年には前述の「オプティック」、3列シートSUVの「ヴィスティック」、さらには「リリック」の高性能モデル「リリックV」も、日本へ導入される計画が明らかにされている。今後大きく変化するキャデラックから目が離せそうにない。


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遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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