色々いわれた日本版ライドシェアに実際乗ってみた! 結論は「あり」だった!! (2/2ページ)

あくまで副業として割り切る人が多い

 指定したバス停で待っていると、ほぼ到着予定時刻どおりにトヨタ・クラウンアスリート(14代目)がやってきた。一般自家用車なので当然自動ドアではないので自分でドアを開けて車内に入った。ドライバーは20代と思える若い男性であった。ライドシェアサービスは世界的にあらかじめ目的地を設定して配車要請したりするので、ドライバーと会話しなくても済むということもメリットに感じるひとも多い。Z世代と思えるドライバーでもあるので、オジサン世代からの話しかけをウザがられるかなあと思ったのだが、思い切って声をかけると気さくに話に応じてくれた。

 聞くところでは、このドライバーはこの日が初仕事とのことであった。ライドシェアのシフトタイムは午前3時から午前7時までであった。東京都内ではコロナ禍以降は朝の通勤時間帯が1日のなかでもかなりの繁忙時間帯となるようで、午前7時から10時あたりを繁忙時間帯として、この時間帯にライドシェア車両及びタクシーアプリ配車専用車両の稼働が多いと聞いたことがあるので、地域によって柔軟にライドシェア車両の稼働時間が設定されているようである。

「始める前は終電を逃した酔客などを駅前から自宅へ送り届けるケースが多いかと思った」と語ったドライバーだが、実際はじめてみると、筆者のように早朝自宅からターミナル駅までの送迎ばかりであったとのこと。このターミナル駅からは早朝より羽田空港を結ぶ空港バスが運行している。

 羽田空港から飛行機を利用するひとが過去には早朝予約サービスを使ってタクシーを利用して、空港バス乗り場へ向かうひとも多かったのだが、働き手不足や働き方改革もあり、予約をさばくほど早朝時間帯にタクシーがいなくなり、予約サービスというものがなくなっている。そのようなニーズも含めてライドシェアにタクシーの早朝予約のような役まわりがまわってきているような印象を受けた。

 今回はターミナル駅近くから迎えにきてくれたとのことだが、アプリを使って同じような場所にいるタクシーの配車を試みるときよりも、マッチングから到着するまで、タクシーより時間がかからない印象を受けた。配車依頼を受けるまでは目的地はドライバーには知らされないとのことだが、タクシー運転士では情報がないなかでもある程度お客を値踏みしているのか、マッチングまで時間がかかる印象を受ける。一方でライドシェアでは稼働時間がかなり限定的ということもあり、ドライバー同士でとにかくお客の取り合いが活発に行われるところで、タクシーとはだいぶ印象が異なっているように感じている。

 タクシー会社の管理下にある日本型ライドシェアでは、ドライバーを始めるにあたり、どのような車両を使うのか(できるだけ新しいほうがいいらしい)や、ドライバー自身も厳格な研修を受ける必要があるとのことであった。「それならば、二種免許取得してタクシードライバーになったほうがいいのでは?」と聞くと、職場と自宅の間にターミナル駅があり、早めに仕事があがったときに帰宅途中に短時間やれる手軽さがいいといった答えが返ってきた。

 ライドシェアドライバーからタクシー運転士へ抜擢することで、タクシー運転士不足を少しでも解消しようという狙いもあるようだが、ライドシェアドライバーのなかには、はあくまで副業として割り切っているひとも多いように見受ける。

 事前研修も功を奏しているのか、妙に構えることなく話ができることも好感がもてた。車両も自家用車とはいいながらも私物は車載ごみ箱ぐらいで、清掃も行き届いていた。

 気になる料金は、タクシーのようなメーター制ではなく、事前に確定するのだが、その料金は同時間帯にタクシーを利用したときと比べると、若干安くなる程度であった。

 タクシーの配車アプリのないころは、早朝に自宅へタクシーを呼ぼうと個別にタクシー会社に電話しても、「近くにタクシーがいない」と断られることがほとんどであった。そして、配車アプリサービスが始まり、筆者の地元でも加盟事業者が増えると、時間はかかるものの距離の少しあるターミナル駅などからタクシーを呼ぶことができるようになった。そして日本型ライドシェアサービスがはじまると、さらにその利便性が高まったということを今回強く感じた。

 日本型とはいえ、ライドシェアサービスの日本国内導入には、さまざまな角度から慎重さを求める声もあるのも事実だが、とくに筆者が住む地域では移動手段確保の多様化は、そのまま日常生活での移動の利便性を向上させていることに、間違いないと感じている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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