ルノーがEVでドコまで走れるかに挑戦! 公開された「フィランテ・レコード2025」のデザインも中身も衝撃!! (2/2ページ)

600kgのバッテリーを搭載しても車重は1000kg以下

 たとえば、ウルトラバイオレットブルーのボディカラーは40 CV、ボディから独立したタイヤ&ホイールはNervasport des Recordsなど、さすがレガシーに事欠かないルノーらしいこだわりです。無論、航空力学による裏付けも抜かりなく、戦闘機のキャノピーを思わせるキャビンや、空気の流れを途切れさせないボディワークなど、最新の理論によるスタイルが随所に見られることでしょう。

 そして、航続距離記録には軽量化も欠かせない技術。これこそフィランテ・レコード2025の注目すべきテクノロジーで、カーボンによるコンストラクションはもちろん、3Dプリント用に開発された高強度アルミニウム合金「スカルマロイ」の使用、あるいはステア・バイ・ワイヤ、ブレーキ・バイ・ワイヤによる機械部品の低減など、エンジニアリングの挑戦も目をみはるような技術。

 その結果、車重はバッテリーを600㎏搭載した状態でも1000kg以下に抑えられたといいます。外からは見えないかもしれませんが、シートなんてフレームなしのハンモック形状らしいので、軽さへの徹底ぶりはF1以上かもしれません。

 また、ルノーの挑戦について、心強い味方となったのがミシュラン製のタイヤです。20インチというほかスペックは公表されていませんが、転がり抵抗係数を従来の6.5kg/トンに対し、約4kg/トンという限界値にほど近いところまで向上させているとか。ミシュランによれば、タイヤの性能が航続距離の20%に影響を与えるとのことで、このテクノロジーはすぐにでも市販タイヤにフィードバックされるでしょう。

 ルノーが本気を見せたレコードブレーカーは、パリのレトロモビルでお披露目されたあと、風洞実験で細部をブラッシュアップし、F1コンストラクターとして知られるリジェ、航空技術のトップランナーのAPロッキードらのサポートを得ながら、2025年の前半に航続距離記録に挑戦する模様。

 EVに興味のある方はもちろん、F1ファンだって目が離せないこと間違いないでしょう。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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