サニーにスターレットにレビンが爆走! 全日本ジムカーナ”箱D”に旧車ファン悶絶必至 (2/2ページ)

クセのあるクルマを操るのが超楽しい!

 まさに箱Dはクラシック感をもちながら、そのエキゾーストは迫力満点で、ライトウエイトであることから、ターンセクションにおいても抜群のフットワークを披露。その異次元のフィーリングは経験豊富なドライバーも魅了しているようで、今大会でサニーのステアリングを握った川脇選手は「箱Dは改造範囲が自由なので、チューニングという部分での魅力がありますよね。振動も音も違うし、キャブレター車なので“生き物”みたいに、機嫌のいいときもあれば悪いときもあったりで面白い。とくにサニーはキャブレターの向きの関係で、左コーナーが手こずりやすい。そのあたりを考えながら走ることが面白いです。車両重量が軽いし、スリックタイヤの許容範囲も広いので、ドライバーが試されているような感覚がありますよ」とコメント。

 さらに、スタートレットのステアリングを握った大井選手は「音と軽さが最近のクルマとは違いますよね。これぞチューニングカーといった雰囲気で、ドライビングしていても楽しい。車速が低い部分でドライビングが忙しいし、乗りこなすこともかなり難しい。一体感が出てくるまで、本当に大変ですけど、そのぶん、乗りこなせたときは達成感がありますね」と語る。

 ちなみに大井選手はスターレットだけでなく、これまでにレビンやサニーでも箱Dクラスに参戦した経験をもっており、「レビンは当時のN2規定に準じて開発されたクルマで、圧縮が高くてパワーがあります。エンジンも8000回転から一気にまわってくれるので、ちょっと怖いぐらいの感覚がありますね。スターレットは小まわりが利くうえに、4A-Gエンジンを積んでいるのでパワーもある。すぐに片輪走行してしまいそうな感じで、コントロールが難しいけど、これはこれで面白い。サニーはこの3台のなかでもっともパワーがないけれど、意外と速いです。エンジンがコンパクトで低いところにマウントされているから、重量配分がよくて、いまのクルマと変わらないほど、コーナリングでもリヤがしっかりしている」と各モデルをインプレッション。

 さらに「YSSがメンテナンスする3台はキャブレター車なので、パーシャルで走っているとガソリンが足りなくなったり、回転リミッターもないので慣れていないと、エンジンを壊してしまいそうだけど、いまのクルマにない魅力があります」と付け加える。

 また、シティで参戦した長瀬選手も「箱Dのみなさんに誘われたし、オーナーも知っていたので、2024年のJAFカップにシティで参戦したんですけど、本当に楽しかったので全日本選手権の筑波ラウンドにも参戦しました」とのこと。そのうえで「箱Dはいろんなところが自由に改造できるところが魅力で、燃料タンクを変更してイグニッションもダイレクト点火に変更してきました。最大出力は120馬力ですけど、車両重量が850kgなので十分に楽しい。我々の世代は懐かしいけれど、若い世代からすれば新しく感じるみたい。日程的にあまり競技は出場できないかもしれませんが、旧型車をもっているオーナーは多いので、走行会なんかを企画したいですね」と語る。

 なお、筑波ラウンドではサニーを駆る川脇選手が箱Dクラスを制覇したほか、長瀬選手が4位に入賞。一方、大井選手は第2ヒートの出走前にマシントラブルが発生したことから、第1ヒートのタイムにより5位に終わっている。

 まさに箱Dは近年のクルマにはない魅力が満載。すべてのラウンドではないものの、今後も全日本ジムカーナ選手権と同時開催で競技が開催される予定となっているだけに、往年の名車による豪快なドライビングに注目したい。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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