
この記事をまとめると
■BYDが新たな電動SUVブランド「方程豹」でランクルのようなモデルを販売している
■ミドルクラスの「レパード5」とフルサイズの「レパード8」を展開
■高性能なパワートレインと運転支援技術を搭載して中国国内では好評
EVの巨人・BYDが本格クロカンモデルにも参入
中国のBYDといえば、いまや世界でも指折りのEVメーカーとして名を馳せているかと。中国政府の後ろ盾もあってか、現地では「比亚迪(BYD)無双」などと畏敬の念を込めた流行語すらあるようです。
そんな彼らがダイムラーグループと共同出資して高級EVブランド「DENZA」を興し、ラグジュアリーミニバン「D9」をリリースしたのはついこの間のこと。ところが、BYDの勢いはこれにとどまらず、より高級な電動SUVブランド「方程豹」をスタートさせ、まるで中華ランクルかのようなモデルをリリースしているのです。
方程豹、まず読み方は「ファンチェンバオ(fangchengbao)」が近いようで、意味合いとしてはSUVブランドらしく「フォーミュラパンサー」とでもなるのでしょうか。サバンナを走る精悍な豹といったニュアンスかと。リリースした2台のモデルは、フルサイズがレパード8、ミドルクラスがレパード5なる車名。
まずはレパード5を見てみましょう。パッと見たところ、ランクル250のそっくりさん的なスタイル。ミッドサイズSUVといわれるだけあって、全長4890mm、ホイールベース2800mmと日本国内でもちょうどいい大きさ。
フレームにボディを架装するオフロード車の常道どおりのコンストラクションに、車高調整機能付きの油圧アクティブサスを装備。これはDENZAでも採用されるCloud-Pシャーシテクノロジーが用いられたもので、市街地での乗り心地と、アプローチ/デパーチャーアングル:35/32度を誇る走破性にも貢献しているとか。
パワートレインは、1.5リッターで175馬力を発揮するターボ付きガソリンエンジンにモーターを2個搭載。合計出力は686馬力/760Nmという数値ですので、2890kgの車体でもそこそこ豹のようなパフォーマンスを見せてくれるはず。2024年に中国国内では5万台弱を売ったとのことですから、人気のほどもランクル250並みといったところでしょう。
一方のレパード8は全長5.2mに達さんとするフルサイズSUVで、2024年11月から販売が開始されたモデル。前年にコンセプトモデルが公開されたので、「ランクルのライバル登場か」とご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらも、レパード5同様、ボディオンフレーム構造が採られながらも、より高品位となるDiSus-Pエアサスペンションなるシステムを導入。最低地上高を310mmまでアップでき、その際はアプローチ/デパーチャーアングルは34/35度を実現しています。なお、通常時の最低地上高は220mmに設定され、それでも29/18度というオフロード車らしい走破性がもたらされました。
当然、パワートレインもレパードより強力なもので、2リッターガソリンエンジンとふたつのモーターを介して748馬力を発揮。3305kgの巨体ながら0-100km/h加速を4.8秒でクリアするなど、これまた豹のような身ごなしが期待できそうです。
なお、36.8kWhのBYDブレードLFPバッテリーは、航続距離1200kmを誇るといいますから、中国山地や砂漠もそれなりに走破できるかもしれません。ちなみに、中国の電機メーカーファーウェイのQiankun ADS 3.0を使った運転支援システムも搭載されました。ルーフマウント型センサーによって、都市型NOA(Navigate on Autopilot)などの高度なインテリジェントドライブ機能が約束されているとか。
サイズやパフォーマンス、そして運転支援システムなどモリモリの内容ですが、お値段は中国国内では日本円にして750万円ほど。よくできたSUVがほしい方、とりわけ、ランクルがほしくても待ち時間に我慢ならない方は検討する価値がありそうです。