「愛車をカスタムするなら売ることなんて考えるな」は確かに正論! とはいえイジっても買取価格を下げない方法はある? (2/2ページ)

キモはやっぱり「ノーマル戻し」!

●ノーマル戻ししたら社外品は中古パーツとして売りに出すのが正解

「手放すときにノーマル戻し」のメリットはほかにもあります。それまで使っていた社外パーツをネットオークションに出品したり、それが面倒であれば中古パーツ専門店に買い取ってもらうのです。

 前者であれば自分で値づけができる反面、落札者とのやり取りや梱包、発送といった手間がかかりますが、地道にやればちょっとしたお小遣いになります。後者の場合でも、安く買い叩かれてしまう可能性はありますが、それでもゼロではありません。周囲の友人や知人に安く譲るのもいいかもしれませんね。

●ノーマルパーツは捨てないで残しておく

 置き場所に困るかもしれませんが、社外パーツに交換する際、可能な限りノーマルパーツは処分せずに保管してください。捨ててしまったり、いらないからとネットオークションに出品するのは御法度です。捨てたり売ったりしたらダメです。いつか必要になるんです。

 倉庫やガレージなどの屋内に置いて、なおかつエアキャップなどにくるんで養生した状態で保管すると劣化のスピードが抑えられます。素材によってはカビが生えてしまうので、こまめな除湿もお忘れなく!

●まとめ:ノーマルから手を加えれば加えるほど手放しがたくなる

 数年前、あるクルマのオーナーさんがこんなことをいっていました。「手を加えすぎてもはや売るに売れない」。それは「売ったら損をする」ということではなく、「退路を断つくらい徹底的に手を加える」というニュアンスでした。

 そのオーナーさんの愛車は、いまや海外でも知られた存在となり、街なかを走ればギャラリーがスマートフォンでバシバシ撮りまくるほどカッコいいクルマとなったのです。先日開催されたとあるイベントにも展示され、多くのギャラリーの注目を集めていました。

「これで手を加えたら売るときに困るな……」といった守りのドレスアップでは突き抜けることはほぼ不可能。それならばいっそ中途半端にドレスアップをせず、ノーマル+αに留めておいたほうが賢明かもしれません。

 所有していながらリセールバリューのことを考えているなんてなんとも味気ない。むしろ「敢えて退路を断つくらい手を加える」という潔さと覚悟に、ある種のロマンを感じてしまうのは筆者だけでしょうか。


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松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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