唯一無二のインテリアは中古で見つけたら即ゲット案件
その開発コンセプトは「パッケージありき」で、開発テーマは「上質のゆとり」とされ、CMのキャッチコピーは「こんなトヨタなら、乗ってもいい」であった。それだけに室内空間はゆったり。室内長2155×室内幅1545×室内高1175mmは、現在のクラウンクロスオーバー(室内長1980×室内幅1540室内高1170mm)やレクサスES(室内長1945×室内幅1535×室内高1145mm)を上まわるほど(計測方法にもよるが)。
左右のピラーをしっかりと立てた、居住性優先のデザインを採用したインテリアが与えられていたのだ。とくに2段重ねで上段左右いっぱいのスペースにメーターとナビを配置するインパネデザインは今見てもスタイリッシュ。かなり先進的ともいえる。
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搭載されるエンジンはVVT-i機構付き3リッターV6DOHC、215馬力/30.5kg-m。サスペンションは前後ストラット、ブレーキはFベンチレーテッド、Rディスク。タイヤサイズは全車205/65R15となる。
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グレード展開はシンプルで、3.0(315万円)と3.0L(345万円)の2種。3.0にはパッケージオプションとして3.0Gパッケージ(380万円)が用意されていた。3.0と3.0Lグレードの大きな違いは、これこそプロナード最大の特徴といえるフロントシートの仕様で、3.0は一般的な左右が別々のシート。そして3.0Lはなんと本革シートを採用するとともに、フロントシートはアメリカンな3人掛けベンチシートになっているのである。そのため、シフトも3.0はフロアシフト、3.0Lはコラムシフトになっている。
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全車にデュアル&サイドエアバッグ、VSC、TRC、ブレーキアシスト、EBD付きABSが標準装備されるほか、まだ先進装備類であったDVDナビも全車に装備するなど、当時としては装備が充実したプロナードだが、もっとも高額の3.0 Gパッケージには電子制御サスペンションのスカイフックTEMS、クルーズコントロール、JBLスピーカー&アンプ、ディスチャージヘッドランプ、サンルーフなどが装備されていたのだから豪華そのものだ。
2022年のマイナーチェンジではエクステリアデザインが一部変更されるとともに、ディスチャージヘッドライト、木目調&本革巻きステアリングなどを全車に標準装備している。一方、ちょっと不思議なのだが、そのタイミングで3.0Lは本革シートからファブリックシートにダウングレードされているのだ。
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すでにクラウンやセルシオが圧倒的に支持されている2000年代初頭の日本のラージセダン市場において逆輸入車でFFの駆動方式でもあるプロナードの人気は高まるはずもなく、2023年11月に生産終了。販売も2024年3月31日に終了している。
現時点(2025年2月上旬)でカーセンサーやグーネットで検索してみると、ヒットしたのはたった2台(グーネット)。2001年型で86.4万円~2003年後期型で95万円という値付けだ。どちらも残念ながら(!?)前席はベンチシートではなくセパレートシートであった。もし、レアな前席ベンチシートのプロナードを見つけられたら、アメリカンな気分でかなり面白く乗れるかも知れないなですけどね……。