
この記事をまとめると
■2025年春、まもなく2ドアクーペのホンダ・プレリュードが発売される
■カッコいいという意見がある一方で歴代モデルとの共通点が希薄という意見もある
■プレリュードのシンプルさが「モノ足りなさ」に引っ張られてしまった
新型プレリュードのデザインをあらためてチェック
2023年のジャパンモビリティショーでサプライズ出品されたプレリュードコンセプト。その動向が注視されるなか、2025年の東京オートサロンではプロトタイプが登場、「カッコいい」「期待しかない」と話題沸騰中です。では、そのスタイリングは本当に「カッコいい」のか? 今回はそのエクステリアデザインを再チェックしてみたいと思います。
プレリュードっぽいか、そうでないか?
電動化のなかでも、運転する楽しみを追求・継承するとした新しいプレリュードのコンセプトは「アンリミテッド・グライド」。文字どおりグライダーのような軽快さや滑らかな走りを目指し、次世代型ハイブリッドシステムや「Honda S+Shift」と呼ばれる新技術がそれを支えているようです。
スタイリングにもそのグライダーの軽快さを落とし込んだとされ、じつに滑らかな面による2ドアクーペボディとなっています。ただ、すでに多くの媒体等で取り上げられているなかでは「心配の声」も散見されます。
もっとも多いのが「歴代のイメージがない」「名前だけプレリュード」といった声。なにせ1978年の初代から5世代続いたブランドですから、各世代への思い入れも相当に強いワケで、実際多くの記事では初代以降の写真を掲載したものが多くなっています。そのどれにも似てないじゃないかと……。
また、ハンマーヘッドタイプのフロントなど「プリウスみたい」といった声や、分厚いボンネットフードに「低いフードこそプレリュード」なんて意見も聞かれます。いずれも注目の高さゆえの反応ですね。
次世代の2ドアクーペスタイルとは?
そんな思い入れの強い声にはどれも納得で、叱咤激励はクルマ愛の証といえるでしょう。ただ、僕が新型のデザインに感じるのはそういう「思い出」や「違和感」とはチョット違うところにあります。
新型はたしかにグライダーのような軽快さはあるのですが、そもそもカタチに強い「存在」が感じられないのです。「カッコいいか?」と聞かれればカッコよく見えるし、「美しいか?」といえば美しい。「スポーティか?」と聞かれれば十分にスポーティ。
ただ、コレという個性が感じられない。いい方を変えれば、デザイナーの強い「意志」や「思い」、もしくは「情熱」のようなものが見えないのです。「2025年の2ドアクーペスタイルはコレだ!」という確固たる信念ですね。
フィットやステップワゴン、フリードなど、最近のホンダデザインはいわゆるシンプル路線にあります。過剰な装飾を省いたボディは、それでもしっかりとした個性をもっており、時間をかけてじっくり仕上げられたことがわかります。
新しいプレリュードは、そのシンプルさが「モノ足りなさ」に引っ張られてしまったように見えるのです。優雅なルーフラインや豊かなリヤフェンダーといった素材のよさはあるのですが、まだどこか検討途中のような。
「何をいってるんだ、北米や再進出する欧州市場のニーズを反映させればこうなるんだ!」と突っ込まれれば返す言葉もないのですが……。