結構クルマ好きだけど「イスパノ・スイザ」なんて知らんぞ? 120年以上の歴史をもつスペインの自動車メーカーは狂ったような性能のEVを作っていた (2/2ページ)

現在まで意欲的にスーパーカーを発表

 2010年のジュネーブショーで披露された「V10スーパーチャージド」もまた、忘れることのできない彼らの代表作である。これはアウディやランボルギーニに搭載された5.2リッターのV型10気筒エンジンを採用し、それをMTM(モトーレン・テヒニーク・マイヤー)社の手でチューニング。70万ユーロという価格で販売を計画したモデルだが、残念ながらその計画は実現しなかった。

 そしてイスパノ・スイザが、2019年のジュネーブショーに出品したのが、ここで紹介するオールエレクトリックの「カルメン」だ。

 2シーターのボディは優秀なエアロダイナミクスを実現するとともに、かつてのイスパノ・スイザの姿を彷彿させる、ノスタルジックな曲面で構成されたもの。最高出力は1019馬力と発表され、翌2020年にはさらに高性能で軽量な「カルメン・ブローニュ」が5台の限定車として誕生。最高出力は1114馬力にまで向上し、1台はカスタマーにデリバリーされている。

 そして、2024年に発表されたカルメンのさらなる進化型が「カルメン・サグレラ」だ。サグレラとは、1907年にイスパノ・スイザが生産工場を建設したバルセロナにある街の名前で、最高出力はブローニュの1114馬力から変化はないものの、車重は1875kgに軽量化され、さらに搭載されるバッテリー容量が80kWhから103kWhに増加したため、航続距離は480kmを実現している。

 参考までに0-100km/h加速は2.6秒。その運動性能はまさしく世界の第一線にあるものと評価することができるだろう。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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