100%の勾配を登れるってマジ!? アウディ自ら魔改造した「Q6 e-tron オフロード」にクアトロのCMを思い出す!!

この記事をまとめると

アウディQ6 e-tronはポルシェと共同開発のプラットフォームを採用した最新クーペSUV

■Q6 e-tronをベースとしてアウディ自ら製作した「オフロードコンセプト」を紹介

■大幅なリフトアップに加えトルク増強と勾配100%の登坂性能で驚異の走破性を実現

最新クーペSUVをメーカー自ら早くもカスタム

 アウディは2018年にBEVのe-tronを発売して以来、さまざまなモデルをリリースしてきましたが、どうやら2024年にリリースされたラグジュアリーSUVのQ6 e-tronには、並々ならぬ期待と情熱を込めているようです。

 というのも、実現性の高いコンセプトモデル、Q6 e-tronオフロードを早くもリリースしてきたのですから。アウディがはじめてインゴルシュタットという本家の工場で生産するEVだけに、走破性の高そうなカスタム&ルックスは決して伊達ではありませんでした。

 ベースとなったQ6 Sportback e-tronは、ポルシェと共同開発したプラットフォーム「プレミアムプラットフォームエレクトリック」と、「E3 1.2」と呼ばれる電子アーキテクチャーの搭載で、まったく新しいEVの走りを実現した最新モデル。

「Q6 e-tron クワトロ」は、システム出力が387馬力、0-100km/h加速は5.9秒、最高速度は210km/h、航続距離は最大625km(WLTPモード)。また、「SQ6 e-tron」は、システム出力517馬力で、0-100km/h加速は4.3秒、最高速度は230km/h、航続距離は最大598kmと、電動ラグジュアリーSUVのトップランカーといっても過言ではないでしょう。

 これならオフロードも十分以上の走りを見せてくれそうなものですが、アウディは有名なFATアイスレースに参戦するマシン、Q6 e-tron オフロードコンセプトでさらなるパフォーマンスを見せつけてくれました。ご覧のとおり、車高アゲアゲ、タイヤ極太という徹底ぶり。

 オーバーフェンダーやルーフ、バンパーに配されたラリーランプも雰囲気を盛り上げるものの、やっぱり160mmアップの車高と33インチの足もとには度肝を抜かれるはず。

 これは、オフロード車でよく使われるポータルアクスルを使ったカスタムで、ホイールハブの位置はそのままに、ドライブシャフトの支点を上げて最低地上高を飛躍的にアップする手法。

 さらに、アクスル内のギヤによって、従来は20〜30%のトルクアップが可能でしたが、Q6 e-tronオフロード・コンセプトは、新たな設計によって50%ものトルクアップを実現。ギヤ比の都合で最高速はいくらか下がるものの、それでも175km/hをマークするとのこと。

 また、驚くべきは最低地上高のアップによって、アプローチ/デパーチャーアングルが大幅に向上(数値は未公表)し、勾配100%の登坂性能をゲットしていること。これは100m進んで、100mの高さに至るという意味で、角度にして45度という急傾斜をグイグイ登れるということです。

 なるほど、アウディが「クワトロの再解釈」というのも大いに納得です。オールドファンなら、100クワトロがスキーのジャンプ台を登っていくCMを思い浮かべるのではないでしょうか。

 また、E3 1.2アーキテクチャーをチューニングして、10秒間だけフルブーストが可能となっているのも注目です。パワー配分やプログレッシブステアリング、エアサスすべてが完璧にコントロールされ、アイスレースでも怒涛の速さを見せてくれるに違いありません。

 ヨーロッパではEVが失速気味などといわれますが、Q6 e-tronオフロードコンセプトを見ていると、にわかには信じがたい。ぜひ、このスタイルで発売されること切に願うばかりです!


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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