後席の乗員は悲鳴を上げるか狂喜するか? AMGの4ドアクーペが「こんなのアリ?」レベルの強烈スペックだった (2/2ページ)

見た目からは想像できないほどのパフォーマンス

 だが、メルセデスAMGはさらに究極の4ドアクーペともいうべきモデルをGTのラインアップに用意していた。それがF1マシン直系のテクノロジーを採用したPHEV仕様の「63 S E PERFORMANCE」だ。

 パワーユニットは、現在のメルセデスAMGにとって象徴的な存在ともいえるホットインサイドV、すなわちVバンクの内側にツインターボのメカニズムを搭載した4リッターのV型8気筒で、まずこのエンジンが639馬力の最高出力を発揮する。ターボをツインストローク型としたことでターボラグを改善し、また軽量でありながら高強度を誇るクローズドデッキのシリンダーブロックや鍛造アルミニウム製ピストンを採用するなど、その内容はさすがにメルセデスAMGだ。ミッションは電子制御多板クラッチ式の9速ATとなる。

 さらに、それに組み合わされるエレクトリックモーターは最高出力が204馬力。バッテリーはもちろん自社開発によるもので、結果システム全体では843馬力の最高出力と1400Nm以上の最大トルクを誇ることが可能になった。

 エレクトリックモーターは、そのシフトに使用される2速のトランスミッションや電子制御のLSDとともにリヤアクスルに搭載されている。2速へのシフトは車速が140km/hに達するまでの間にスムースに行われる仕組みだ。

 駆動方式はもちろん連続トルク可変配分型の4MATIC+。このモデルの圧倒的な安定性、そしてコーナリングでのナチュラルな印象は、これらのメカニズム、そしてエアサスペンションと電子制御のアダプティブダンパーを組み合わせ、メルセデスAMGによって徹底的に鍛え上げられたサスペションによって得られたものなのだ。

 AMGカーボンセラミックブレーキが採用されるブレーキシステムの信頼性や制動力も、もちろんライバルのそれを大いに凌ぐ。

 メルセデスAMGのクルマ作り。その哲学はこのGT 4ドアクーペに限らず、どのクラスのモデルでも同様に感じることが可能だ。究極のパフォーマンスを経験したいと思う人ならば、一度は試す価値のあるブランドだろう。


この記事の画像ギャラリー

山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報