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古く見えても単純なスイッチやレバーのほうがいいこともある! クルマの「タッチパネル」や「ダイヤルコントローラー」は正直使いづらい!!

古く見えても単純なスイッチやレバーのほうがいいこともある! クルマの「タッチパネル」や「ダイヤルコントローラー」は正直使いづらい!!

この記事をまとめると

■ここ数年に登場したクルマの多くは操作系がモニターを介しているケースが目立つ

■タッチ式やダイヤル式は操作が複雑になる傾向にあり気を取られると事故の元になる

■各種操作系は車両のキャラクターを生かす前に安全かどうか慎重に検討する必要がある

タッチパネルやダイヤルでの操作系は見直す必要アリ

 以前のクルマのスイッチは、すべてがダイヤルやプッシュボタン式だった。ATレバーも、前後にスライドさせて操作する方式であった。

 それが近年では、ダイヤルやプッシュボタンが減り、カーナビ情報などを表示する液晶画面をタッチする方式が積極的に採用されている。ATの切り替えも、レバーではなくスイッチで操作する車種が増えた。

 この点、理由を開発者に尋ねると「調節を要する機能が増加したから」という返答が多い。たとえば一定の車間距離を保ちながら追従走行できる運転支援機能であれば、先行車が加速を開始したときの自車の反応の仕方などを調節できる。穏やかに速度を高めるのか、それとも素早く加速するか。安全装備の各種アラームの音量なども調節できる。こういった新たな機能をすべて従来型のスイッチで行うと、インパネの周辺が繁雑になるため、モニター画面をタッチして切り替えるわけだ。

 またATの切り替えをスイッチで行うことについては、開発者から「インパネの周辺をスッキリ整理したい」という話が聞かれる。ただしスッキリさせた代わりに、新しい機能が加わるわけでもない。デザインは新鮮に感じるが、ATの操作性に不満が生じることもある。

 そして液晶パネルをタッチする方式は、直感的に操作できる反面、取り付け位置によってはドライバーが手を前側へ長く伸ばす必要が生じる。走行中に操作しようとすれば、運転姿勢が変わってしまう。

 そこでタッチパネルの代わりに、ATレバーが収まるセンターコンソールにスイッチを配置する車種もある。ここでもシンプルな仕上がりを重視するから、機能の切り替えが多い。必要な切り替え操作をするまでに、数回にわたり、スイッチを押したりダイヤルをまわす必要が生じる。

 このほか、ステアリングホイールのコラムにもスイッチが装着され、この部分のスペースを確保する目的もあって、ステアリングホイールを楕円形にする車種も増えた。

 いろいろな方式があって良いが、操作が繁雑になると、運転に対する集中力が低下する。その瞬間に、前方の飛び出しがあったりすると危険だ。その意味では、前方から視線をそらさずに各種の操作を音声で行える機能は、安全性を向上させる可能性がある。

 またATの切り替え、パーキングブレーキのオン&オフといった基本的な操作は、車種ごとの違いを拡大しない方が安全だ。「このクルマは、どうするんだっけ!?」と慌てたときに、事故の危険も高まる。

 今が過渡期で注意を要する機能のひとつに、クルーズコントロールがある。車間距離を自動制御できる新しいタイプと、設定した速度で単純に定速走行する古いタイプが共存しているからだ。しかも操作性に大きな違いはないから間違えやすい。たとえばジムニーの場合、5ドアのノマドのATは、車間距離を自動制御できるタイプで、それ以外のグレードは定速走行するだけだ。

 後者が車間距離を自動制御できるタイプと勘違いすると、作動中にドライバーの意思に反して運転支援によるブレーキが作動せず、追突の危険も生じる。ジムニーに限らず、クルーズコントロールは、早急に車間距離を自動制御できる新しいタイプに移行すべきだ。車両の基本操作については、車種による個性化に対して、慎重に対処する必要がある。

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