F40かF50か究極のフェラーリはどっち? スーパーカー大王に聞いてみた! (2/2ページ)

両車のメカニズムは根本的に異なる

 F40とF50では、そのメカニズムも大きく変化している。F40はそれまでのフェラーリが伝統的に使用してきた鋼管スペースフレームに接続されるサブフレーム上に、2936ccのV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力で478馬力を得たモデル。

 対するF50は、当時のF1マシンであった412T2がそうであったように、CFRP製のモノコックタブを基本構造体として、それに513馬力を発生する4698ccのV型12気筒自然吸気エンジンをリジッドマウントする基本設計を採用していた。

 そのV型12気筒エンジンは走行中の応力を負担する構造体の一部としての役割も担っていたが、それも412T2と同様の構造となる。当然のことながら、V型12気筒エンジンからのバイブレーションはモノコックタブを介してドライバーに直接伝わり、F40の5速に対して6速化されたMTをシフトするなかで、官能的な音とともにスパルタンな印象を生み出した。

 じっさいの運動性能は、フェラーリ自身の公称値によれば、最高速がF40で324km/h、F50では325km/h。0-100km/h加速は、同様の比較で5.5秒、3.87秒という数字が発表されている。

 現在では世界のオークションシーンでF40ならば300万ドル(約4億5000万円)以上、さらに希少性の高いF50では500万ドル(約7億5000万円)以上の価格で取り引きされることもある両モデル。参考までに、発売当時の日本での新車価格はF40が4000万円、F50は5000万円という数字だった。

 F40とF50、すごいのはどちらなのか。そろそろ結論を導かなければならない頃だが、いまだに個人的にはその答えを見出すことはできないというのが正直なところ。スーパースポーツとしての新しさ、そして斬新なエンジニアリングと希少性でF50を採るのか。結論を迫られれば最終的にはそう答える自分がいるような気もするが。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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