最小限の災害対策グッズの常備で安心
そこで3.11以来、筆者は車内に防災グッズを積んでいるのだが、あちこちにバラバラに積んでいても意味なし。コンパクトなリュックにミネラルウォーター、LEDライト、救急用品、タオル、ウエットティッシュ、ホイッスル、ノート&ペン、マジックペン、白のガムテープ(文字が書けるもの)などを入れ、ラゲッジルームに置いてある。
ただし、これらの防災グッズはリュックの容量の3分の2ぐらいに抑えておくことがポイント。理由はクルマから離れる際、車内に積んである貴重品、車検証なども併せて詰め込みたいからだ(常に大きなバッグを携帯してドライブに出かけるわけではないだろう)。バッグが手提げタイプではなくリュックなのは、家に常備する避難リュック同様、背負うことで両手が使えるようになるメリットがあるからにほかならない。
筆者が実際に車内に積載している防災グッズの入ったリュックサック画像はこちら
ちなみに、車内に置いておきたい防災リュックとその中身は、自身で用意してもいいし、それが面倒というなら、ボルボではリュックに収められた「防災セット」が販売されているので、ボルボユーザーでなくても利用するといい(実際、筆者もボルボユーザーではないが、利用している)。
北欧、スウェーデンらしいデザインの、夜間の避難にも適したリフレクター付きのリュックで、なかには「不織布マスク8枚」、保温や防水性に優れた「簡易ブランケット1枚」、「軍手1組」、「簡易トイレ2回分」、「絆創膏1箱」、「マウスウォッシュ3回分」、「ホイッスル」、「カイロ1個」、「圧縮タオル」、「クッキー」、「クリアボトル」、「洗い流し不要シャンプー」、「ウエットティッシュ」、「厚手ウエットティッシュ」、クルマを離れる際にフロントウインドウ内側に貼っておく「緊急連絡先用紙」、「ラジオライト」、「飲料水2本」、「畳めるヘルメット」、「防水ブルーシート」が入っている。
ボルボが販売している「防災セット」の中身画像はこちら
筆者がそのほかに車内に用意しているのは、スマホのUSB充電ケーブルはもちろん、PD対応のUSB充電プラグ(クルマに装備されるUSB-A、USB-Cソケットより急速な充電が可能)、追加のミネラルウォーター500mlボトル数本、簡易トイレ、ティッシュボックス、そして車内でUSB充電+単四電池で点灯するLEDランタン、防寒アルミシート&ポンチョ、バスタオルなどである。
LEDランタンと接続するUSBケーブル画像はこちら
さらに、車内のプライバシーを守る全周カーテン、春から秋にかけては、クルマのウインドウを開けて車内に避難しているときの蚊などの害虫侵入対策として防虫カーテンも用意している(不使用時はコンパクトに畳める)。
これらを揃えておけば、ミニバンやハッチバック車のバックドアを全開にして通気、換気しても、害虫侵入対策になるから快適・安心だ。
ハッチバック車のリヤゲートに設置した防虫カーテン画像はこちら
愛犬・愛猫と暮らしているなら、その避難用品も最小限、積んでおくといい。実際、愛犬と暮らしているわが家でもそうしているし、ペット用の防災バッグも販売されているから参考にしてほしい。
ペット用の防災バッグの中身の一例画像はこちら
ここで「そうした車内に備蓄する防災グッズを車内に積みっぱなしにしていると、燃費が悪化するはずだから考えものだ……」という意見が出てくるかも知れない。が、国土交通省が公表している「エコドライブ10のすすめ」によれば、ガソリン車が100kgの荷物を積んで走った場合の燃費悪化は3%程度とされ、5~10kgぐらいの防災グッズの常時積載であれば、燃費の悪化はほぼ無視できるといっていい。
それよりも、いざというときのために、車内に最小限の災害対策グッズを常備しておいたほうが安心だと、3.11で被災した経験のある筆者は考えている。
さらに、備えあれば憂いなしで、コンパクトに車載できる組み立て式簡易トイレ(着替え用テント併用)やUSB充電式シャワー、ミニバン用の寝袋なども、常時、車載こそしていないものの、用意している。
ホンダN-BOXの荷室に組み立て式仮設トイレを積載した様子画像はこちら
大地震、大災害はいつ起こるかわからない。日々、ガソリン車、HV車はできるだけガソリン満タンを心がけ、EVやPHEVであれば充電を怠らないように心がけておくことも重要だろう。