数字のみの車種名はスペックにまつわるものが多い
排気量や換算馬力を表すもの
数字だけの車名も近年はわかりづらいものが増えてきました。メルセデスAMGでいえば、63AMGは6.3リッターを意味しているかと思いきや、そうでないモデルもあるのです。たとえばC63は当初こそ6.3リッターエンジンでしたが、のちに4リッターターボに変わっています。が、6.3リッター相当のパワーを発揮するということで63を継承。ややこしいことこの上ありませんね。
メルセデスAMG C63 S(W205)のフロントスタイリング画像はこちら
これと似たように難解なだったのがレクサスのLS500h。3500cc+1500cc相当のモーターで、5リッター並のパフォーマンスなんだとか。ちょっとしたトリビアとして、誰かに話したくなりそうです。
トリビアといえば、ケータハムのセブン170Sとか、セブン130/160という車名も相当なマニアでなければ数字の意味を知らないはず。これは、車重を1トンに換算した場合の馬力を表したもので(実際の発生馬力は異なります)、170Sは車重500kgに対して85馬力、160は同じく500kgの車重に対し80馬力といった具合。わかりやすいのか複雑なのか、微妙な設定です。
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独自の数字ルールは覚えやすい
プジョーは2004年まで創業当時からずっと3桁の数字を車名に使っており、これはこれでわかりやすいものでした。百の桁の数字が車格を示し、1の桁の数字が世代を表すというもの。数字が大きくなるにしたがって車格が大きくなり、また世代が新しくなると数字も大きくなるというルールです。一般モデルは真んなかのゼロがひとつですが、SUVやMPVについてはふたつにするルール、というか車名が増やされています。
プジョー208(2代目)のフロントスタイリング画像はこちら
このゼロに意味はないようですが、ポルシェが911を当初は901として登録しようとしたところ、プジョーが鬼の剣幕で妨害したのは有名なエピソード。おそらくは、真ん中のゼロへのこだわりというより、枢軸国に対する嫌がらせのような気もします(笑)。
なお、ポルシェの3桁数字は設計ナンバーの転用というのが定説です。ご承知のとおり、ポルシェは当初、研究開発を請け負うシンクタンクとしてスタートしており、開発対象ごとに設計番号で管理していたのです。で、創業から3番目に設計したのが356、それから工業機械やトラクターを経て、9番目となったのが911シリーズといった具合(諸説あります)。
ポルシェ911(901型)のフロントスタイリング画像はこちら
いわれてみれば納得もできますが、質実剛健過ぎて(笑)色気にはちと欠けるような気もします。