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ピラーからトランクのフロアまで全部ドライカーボン! ここまでやるかのフルカーボン「ハコスカ」に会場も騒然【大阪オートメッセ2025】 (1/2ページ)

ピラーからトランクのフロアまで全部ドライカーボン! ここまでやるかのフルカーボン「ハコスカ」に会場も騒然【大阪オートメッセ2025】

この記事をまとめると

■大阪オートメッセ2025にてフルカーボンボディハコスカが展示された

■「オールドスターモータース」が手がけた車両で全パネルを商品化する予定だ

■「スーパーGTにS15シルビアが出たら?」というコンセプトのデモカーも展示した

衝撃のハコスカ現る!

 今年2025年の2月7日〜9日に大阪港湾地域のインテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ2025」。
記録的な大寒波に見舞われるなかで3日間の合計で19万人以上のカスタムカー好きが来場し、会場は熱気を伴う賑わいを見せていました。

 ここでは、多くの出展車両のなかから、筆者がとても興味を惹かれた車両を紹介していきたいと思います。ショップや個人の出展車両が多く並ぶ4号館でひっそりと佇んでいたこのブラックのハコスカは、近付くとその特殊性が際立ってきました。「オールドスターモータース」が出展していたこのハコスカを見ていきましょう。

■ビスで外せる部分だけではなく、モノコックボディの部分まで樹脂に置き換える計画

 この「オールドスターモータース」が出展していたハコスカは、見える部分がほぼカーボンの柄で統一されていました。通常ならば、フロントのボンネットや左右のフェンダーを、重いスチールの純正パネルからFRPやカーボンなどの軽量な樹脂製パーツに置き換えて軽量化する手法がよく見掛けるケースです。

 こだわる場合はもう少し発展させて、フロント下部のエプロン部やトランクリッド、ドアなども樹脂化の対称になるケースもありますが、そのほとんどはもともとパネルが取り外せて交換可能な箇所に限られます。なぜなら、モノコックの骨格にかかわる部分のパネルの交換は専門の設備や技術が必要になり、とても素人が手を出せる領域ではないためです。

 競技目的でルーフを軽量化するためにドライカーボンのパネルに交換する手法は、今や特殊な市販車にも浸透していますが、リヤのクオーターパネルとフェンダー部分はモノコックの一部となっているケースがほとんどのため、過去に外装をすべてカーボン柄で統一した車両もありましたが、そのほとんどは、上にカーボンシートを貼った“なんちゃって”フルカーボンでした。

 しかし、このハコスカは、大胆にもその容易に踏み込めない領域に思いっ切り踏み込んでしまったようです。

 この展示車両では、ボンネット、フロントフェンダー、エプロン、ドア、トランクなどの外せるパーツはもちろんのこと、Aピラーとリヤのクオーターパネルを含むルーフ部分やリヤフェンダー、リヤのバックパネル、そしてトランクルームのフロアパネルまでをドライカーボン製のパネルに置き換えていました。

 旧車界隈でも突出した人気を誇るハコスカなので、多くのショップやカスタムメーカーからこれまで多くの外装パーツがリリースされており、ドライカーボン製の外装パネルもいくつかありますが、ここまでのラインアップは史上初でしょう。

 これだけでも充分驚きに値しますが、このプロジェクトの目標は、メインフロアやエンジンルーム内側のフェンダーパネルにいたるまで、すべてのパネルをリリースすることだといいます。まさに前代未聞の試みです。

 ちなみにドライカーボンというと、F1などの競技車両や航空機などに使われていることから、軽量性と高強度を併せ持つ最先端素材というイメージがあり、主に性能向上のために用いられる印象が強いのですが、もうひとつの特性である“変形しにくく耐候性に優れる”という点も注目です。

 これまで一般的だったFRP樹脂製の外板パネルは耐候性に難があり、紫外線や熱などの影響でしだいに歪んでしまうのが宿命でした。しかしこのドライカーボンはFRP樹脂に比べて熱や紫外線の影響を受けづらく、長い期間変形しないで使用できるという特性があります。そのため、チューニングだけでなくレストア用の置き換えパネルとしての用途も注目されています。

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