ヤンチャ系カスタムの代表「竹ヤリ出っ歯」はレースからのインスパイア! 1970年代に社会現象を巻き起こした「グラチャン族」ってなに? (2/2ページ)

竹ヤリ出っ歯ももとを正せばグラチャン族がルーツ

 このスーパーツーリングが、1979年グループ5カテゴリーの「スーパーシルエット」に昇格。

 スカイライン、シルビア、ブルーバードなどをベースに、仰々しいオーバーフェンダー、巨大なリヤウイング、大きく飛び出したフロントスポイラーなど、暴走族がお手本にしたくなるような派手なエアロパーツが装着され、そのスーパーシルエットのマシンを参考に、より派手で目立つカスタムカーを作るのが流行!

 当時の保安基準に思いっきり抵触するそれらのカスタムカーは完全に暴走族扱いで、会場の富士スピードウェイにも「不正改造車は入場できません」と看板を出したり、会場内ではなく、メインゲートの脇にグラチャン族専用の駐車エリア=18番駐車場を設けたり、グラチャン族の象徴でもある竹ヤリ&出っ歯仕様が多かった千葉県と茨城県では、グラチャンレースの前売り券を売らないといった対策も施されたほど。

 警察の検問も盛んだったが、その検問を潜り抜け、富士スピードウェイに到着するのが、また武勇伝となって話題に……。

 グラチャン自体が1989年に終了し、グラチャン族も1980年代半ばには下火になっていったが、良し悪しは別として、クルマに熱い人が多かった時代の社会現象として記憶されている。

 また、当時の極太オーバーフェンダーやシャコタン、ウイング、チンスポのテイストを取り入れたドレスアップはいまでも人気で、リバティーウォークの「公道を走れるシルエット」をコンセプトに掲げた一連のエアロパーツなどは、日本国内だけでなく、世界からも注目を集めているほど!

 スーパーシルエット、グラチャン族が、自動車文化に与えた影響はかなり大きいものだといえるだろう。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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