竹ヤリ出っ歯の街道レーサー軍団はみんな若者オーナー! 「なんでそんなん知ってるの?」的なカラーリングも激熱【大阪オートメッセ2025】 (2/2ページ)

奇想天外なパロディ連発!

 3台目は眩しささえ感じるほどの鮮やかなイエローで仕上げられたトヨタ・チェイサー(GX71型)です。ボンネットとサイドにはロゴマークとアルファベットの文字があしらわれていますが、この書体と色づかいはどこかで見たような……。そう、あの格安居酒屋チェーンの「鳥貴族」でした。

 このセンスは昭和の街道レーサーをリアルタイムに見てきた世代には思いつかないものでしょう。昭和の当時のセオリーに則りながら、いまの時代ならこうする! という遊びの感覚が感じられます。

 こちらの車両も超ワイドな張り出しを見せるワークスフェンダーに12J以上ありそうな超深リムの「スターシャーク」ホイールを収め、ボディを囲む下側にはぐるりと幅広なスポイラーを装着。畳1枚分はありそうな大型のリヤスポイラーなどなど、ボディワークはしっかり当時のセオリー通りに仕上げられています。幅広のワークスフェンダーの装着はリヤのドアを封じてしまい後席が使えないので、その割り切りに漢気を感じます。

 4台目はトヨタ・マーク II(GX71型)で、先のワークスフェンダーを装着した超ワイドなスタイルとはアプローチの違う1台です。ブルーとホワイトの2色のカラーの境目に赤と金のストライプが入るこの独特のカラーリングは、1980年代にホンダの2輪のワークスチームのスポンサーカラーとして高い人気を誇った「Rothmans(ロスマンズ)」というタバコ銘柄のものです。

 そのレーシーなイメージに合わせて、ボディの仕上げも硬派なイメージのつくり込みが施されています。フロントまわりはボンネット前端を延長するロングノーズでスピード感を強調。グリルやバンパーなど、速く走るためには不要なパーツを外すことでスパルタンな雰囲気になっています。

 丸みのあるオーバーフェンダーに収まるホイールは、これまた当時の人気ホイール「テクノファントム」。サイズは10Jくらいでしょうか。ゴールドのアクセントがボディ色にマッチしています。

 リヤもフロントと同様にバンパーを外したスパルタンな仕上げで、後方に突き出した2本のマフラーエンドもレーシーさを強調しています。

 5台目はトヨタ・クレスタ(GX71型)です。こちらのやや緑が入った水色のボディカラーもなんだかどこかで見たような……。記されたロゴは「TIFFANY&CO」となっています。そう、あの高級ジュエリーブランドの「ティファニー」でした。ちなみにこちらのクレスタのオーナーは、黄色の「鳥貴族」チェイサーのオーナーの奥さんだそうで、夫婦そろってGX71乗りとは、かなりのハマり度合いですね。

 こちらもフロント、サイド、リヤにワイド感を強調するエアロを装着していますが、旦那さんのワークスフェンダーとは方向性を変えて、フェンダーをホイールに合わせて少し叩き出して合わせるだけという控えめな仕上がりになっています。

 そのぶん、ホイールのサイズも控えめな幅のものを選んでいますが、ブランドは同じ「スターシャーク」という点に夫婦愛を感じます。

 ただ、リヤにまわるととても控えめとは思えない主張が現れます。カミナリをモチーフにジグザグに折り返された竹ヤリが空に向けて突きだしていました。これもあくまでもショー用にあつらえたものですが、妙な凄みを感じます。

 ラストは1台目と同じトヨタ・セリカXX(ダブルエックス)ですが、一見「これXXかな?」と少し悩むくらいに異なる雰囲気の仕上がりになっています。“ド”が付くくらいに真っピンクに塗られたこの仕上げのモチーフは「桃の天然水」です。CMに華原朋美や浜崎あゆみという、やんちゃ界隈に人気が高かったタレントを起用して浸透していた、まさに“平成”を象徴する飲料ですね。令和のいまでは懐かしさを感じます。

 こちらの車両は、フロントにロングノーズと出っ歯をあしらい、その突出量のままサイドにまわり込んでワークスフェンダーを装着。

 ホイールは「スターシャーク」で、思わず「乗り降りが大変そうだな」と思ってしまうくらい幅広のサイドスカート、そしてテールゲートはロングスポイラーと一体型の「アイローネ」タイプに交換などなど、しっかり街道レーサーのセオリーに沿った見事な仕上がりです。

 こちらもマフラーは“竹ヤリ”ですが、ジグザグが二段になっていて、さらに手が込んでいます。


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往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

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スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
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釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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