ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■リコールとはクルマの設計や製造に起因するトラブルを改善する制度だ

■改修には時間を要することが多い

■場所によってはリコールを放置すると車検に通らない場合がある

たまに耳にするリコールとは?

 クルマ好きでなくとも自動車の「リコール」というカタカナをニュースなどで目にしたことは多いだろう。その仕組みについて知らなくとも、大雑把なイメージでいうと、なんらかの不具合があったとして、それをメーカーの責任で無料改修される制度といった認識かもしれない。

 そのため、愛車にトラブルが起きると「これはリコール案件だ」と鼻息があらくなってしまう人もいるようだが、リコールの対象となるには大きな条件がある。

 国土交通省の定義を引用すれば、リコールとは『道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うこと』をいう。

 つまり、車両不具合の原因が自動車メーカーによる設計・製造に由来するもので、なおかつ保安基準に関わる部分でなければリコールの対象とはならないのだ。また、リコールを実施するということは、改善措置(≒修理)によって保安基準に適合させる必要がある。

 メーカーが不具合を把握してからリコール実施まで時間がかかるという批判もあるが、不具合の原因を究明して、それが設計・製造にかかわる場合に、適切な対策部品やプログラムを開発するというフローになるわけだから、すぐに直せるケースのほうが稀といえる。

 対象車両が多いと対策部品の供給がスムースにいかないこともある。ユーザーとしては、少しでも早く改修を受けることで、安心してカーライフを楽しみたいものだが、そうした事情もあったりするのだ。


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山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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