「せっかくのミッドシップなのに4人乗りって意味あるんですか?」→贅沢さこそが意味です! 謎コンセプトに挑戦したスーパーカー4台 (2/2ページ)

ミッドシップ4シーターモデルは21世紀にも

ロータス・エヴォーラ

 エリーゼの大ヒットに気をよくしたのか、さらなる利益を追求したのか、ロータスが選んだ二の矢は2+2のミッドシップスポーツ、エヴォーラでした。直4と等しくコンパクトで、よりパワフルなV6エンジンを選び、全長4370mmというボディに詰め込んでいます。

 注目すべきは上述のウラッコに比べ全長で120mm長いのですが、そのぶんホイールベースも125mm(2575mm)の差があり、比率でいうとスタンツァーニのパッケージにほど近いといえるところ。識者にいわせれば、なにかしら法則めいたものでもあるのかもしれません。

 また、サイズこそエリーゼより大きいものの、やっぱりリヤシートは+2というより荷物スペースにすぎないものかと。実際、発売後しばらくしてリヤシートをオミットした2シーター仕様も選べるようになっています。

 フェラーリやランボルギーニで、あえて「贅沢」を味わうのはよしとして、果たしてロータスにそれを求めるユーザーがいるのか、ちょっとした疑問ではありますね。

ケーニグセグ・ジェメラ

 最後は4人乗りミッドシップにハイブリッドを加えたケーニグセグのジェメラです。2020年の登場でカーボンモノコックに1360馬力、おまけに4輪駆動ですから、これまでの3台とは明らかにタイプの異なるモデル。ともあれ、全長4975mmに対するホイールベースは3000mmと、エヴォーラにほど近い割合で「ミッドシップらしい走り」もどうにか担保されているかと。

 4人乗りの室内を見ても、上記3台のオマケみたいなシートとは違い、ちゃんとしたバケットに見えなくもない感じ。ただし、こればっかりは実際に座ってみないとわからないものですから、一概にファミリー向けハイパーカーとも呼びづらいところ。

 とはいえ、0-100km/hが1.9秒という猛烈加速や、170万ユーロ(約2億5500万円)というお値段がファミリー向けかというとそうでもない(笑)。やっぱり、4人乗りながら「きわめて贅沢」なスペックを味わうという、ビリオネア向けマシンと結論づけざるを得ませんね。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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