日本全体で1.5%しかMTが売れてないのにシビックの80%がMTって異常じゃない!? マニアックなハズの「シビックRS」がバカ売れする謎

この記事をまとめると

■ホンダ・シビックの販売台数の約8割をMTモデルの「RS」グレードが占めている

■国産車ではMTが減っているため需要が集中している

■快適性と6速MTの両立、優れた内外装デザインなどがシビックRSを人気モデルにした

シビックのなかでも一番人気グレードとなった「RS」

 シビックの売れ行きを見ると、6速MT専用のRSが約80%を占める。いまの乗用車の販売動向では、AT比率が圧倒的に高く、MTはわずか1.5%程度だ。それがなぜシビックのMT比率は80%に達するのか。

 販売店に尋ねると「シビックではRSの人気が高い。理由のひとつに6速MTの採用がある。MTに乗りたいお客さまがシビックRSを買っている」という。いまはMT車を求めるユーザーが減っているが、それ以上にMT車の選択肢が欠乏している。そのためにシビックRSにMTの需要が集中しているのだ。

 AT車の限定免許が創設されたのは1991年で、いまでは30年以上が経過したから、MT車を運転できないユーザーも増えた。しかし、運転免許統計によると、2023年に第一種普通運転免許試験に合格したドライバーの内、AT限定の比率は約68%だ。残りの32%はMT車を運転できる。

 AT限定免許にしない理由として、仕事でトラックなどのMT車を運転することも含まれるが、いずれにしてもMTの運転能力を備えたユーザーはいまでも少なくない。

 その一方で、前述のとおりMT車が減った。2024年には、日本国内で販売された軽/小型/普通乗用車の55%をマイルドタイプを含むハイブリッドが占めて、その大半にMTが設定されていない。また、以前はマツダCX-3/CX-30/CX-5、カローラセダン/ツーリング/スポーツなどの車種にMTを設定していたが、いまでは選べない。

 そうなると、MTを選べる車種は、トヨタGR86、日産フェアレディZ、マツダ・ロードスターなどの2ドア/3ドアクーペに限られてしまう。ファミリーでも使える4ドアセダンや5ドアハッチバックのMT車を探すと、選択肢が大幅に限られる。

 その結果、後席の快適なMT車に対する需要がシビックRSに集中した。シビックは後席も相応に広く、いまでも6速MTを選べるマツダ2やマツダ3と比べて4名乗車時の居住性も快適だ。快適性と6速MTの両立、バランスの取れた外観や内装デザインなどが、シビックRSを人気車に押し上げた。


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渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
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13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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