アメリカ人は「変速」なんて概念がそもそもない? 北米がいち早く「AT車だらけ」になった理由とは (2/2ページ)

フリーウェイの発達がAT車の採用を後押しした

 そのアメリカだが、そもそもユーザーは変速機に対する意識が薄い。というか、ほとんどないといってよいだろう。

 筆者がアメリカでの生活を始めた1980年代中盤ではすでに、ATという概念自体をアメリカ人の多くはもち合わせていなかった。つまり、クルマは2ペダルが当たり前という意識だった。

 その背景には、アメリカは日本に比べると大きく加速し一気に減速するような道路環境にあることがあげられるだろう。

 また、フリーウェイの発達によって、一定速度での高速走行の機会が多い。そして、近年はガソリン価格がかなり上がったが、そもそも産油国であるためガソリン価格はほかの国と比べて安く、MT車による燃費向上メリットをあまり意識しなかったこと、などがあると思う。

 一方で、MT車については「特殊なクルマ」という意識がある。アメリカではMT車を「スティック・シフト」と呼ぶことが多い。

 そもそも、アメリカでは教習所に通うという習慣がほとんどなく、実家や友人のクルマをDMV(車両管理局)で行われる運転免許の実地試験にもち込む場合が多く、こうしたクルマのほとんどがAT車である。

 どうしてアメ車はATが主流なのか?

 T型フォードが登場し、大衆車市場が拡大に向かう初期では、コストと利便性のバランスを考えた変速機構をメーカー側が考案したことは、十分理解できる。

 それが、第二次世界大戦後、1950年代から60年代に向けてアメ車のボディサイズの大型化・エンジンの大型化が進むにつれ、クルマの設計上、またユーザーニーズとして、ATが当たり前で、MT(スティックシフト)はモータースポーツ由来のスポーツモデル向けという、時代の流れになったものと推測される。


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桃田健史 MOMOTA KENJI

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