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ホンダの「VTEC」がライバルメーカーの開発魂に火を付けた! ユーザーを歓喜させた90年代の1.6リッターNAエンジンパワーウォーズとは (1/2ページ)

ホンダの「VTEC」がライバルメーカーの開発魂に火を付けた! ユーザーを歓喜させた90年代の1.6リッターNAエンジンパワーウォーズとは

この記事をまとめると

ホンダが1989年に市販した「VTEC」技術は市場に激震をもたらした

■VTECの登場によって1.6リッタークラスの自然吸気ハイパワーエンジンの競争が激化

■日産、三菱、トヨタなど各メーカーが追従するもVTECの牙城を崩すには至らなかった

ホンダ高性能エンジンの象徴「VTEC」とは

 いきなり昔話で恐縮だが、1989年にホンダが「VTEC」機構を積んだエンジン(B16A)を初めて市販したときのインパクトはもの凄いものがあった。

 いまでもホンダの高性能エンジンを象徴するテクノロジーとなっている「VTEC」とは、「Variable valve Timing and lift Electronic Control system」を略したもので、この世界初の可変バルブリフト機構により、NA(自然吸気)ながら1リッターあたり100馬力のエンジンを生み出したことは、当時のクルマ好きにとっては驚きでしかなかった。

 4サイクル・レシプロエンジンにおいてシリンダーに空気(混合気)を吸い込むのは吸気バルブであり、バルブのサイズとリフト量(開く高さ)が大きいほど、多くの空気を取り入れることができる。また、排気バルブも同様にサイズとリフト量を増やすことで吸気に見合った排気能力を実現できる。

 そして、バルブサイズが一定であればリフト量を増やすことでパワーを稼げることになる。チューニングパーツで目にする「ハイカム」というのはリフト量を増やすカムシャフトのことだ。ただし、ハイカムによってバルブのリフト量を大きくすると低回転域で乗りづらくなったり、エミッションの面でネガが生まれたりする。

 ホンダのVTECとは、カムシャフトに切り替え機能をつけることで、ハイ/ローふたつのリフト量を自在に制御できるようにしたもの。これにより低回転域での乗りやすさを維持しつつ、高回転での弾けるようなパワー感を両立した。

 そして、国産メーカーは”打倒VTEC”を目指して、同様の可変リフト機構を備えたエンジンを生み出すことになる。ガチンコの勝負を挑むため、VTEC初搭載のB16Aと同じテンロク(1.6リッター)クラスのNAエンジンが大いに盛り上がった。

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